お肉のリスク(寿命・病気)

お肉のリスク(寿命・病気)
牛肉や豚肉などのお肉は、 がん、心血管疾患、腎臓結石、胆石など、 幾つかの病気の発症率を増加させ、 寿命を減らすリスクがあります。

一方、同じお肉(たんぱく質)でも、 魚や鶏肉は、相対的に寿命を伸ばし、病気のリスクを減らす可能性があります。

ここでは、お肉と病気、お肉と寿命の関係について、 紹介しています。


6つの異なる研究の比較

2003年ロマリンダ大学が「肉食と寿命」に関わる過去の6つの研究を比較・分析した結果、 「お肉の消費量が少ないことは、死のリスクを減らす」と発表しています。

この研究では、 以下のような分析結果を得ることができました。

肉食と寿命に関わる関係
  • 肉の消費が少ない場合、死のリスクが低下していた。(※1、※2)
  • 20年以上の長期に渡って肉の消費が少ない場合、3.6年寿命を伸ばす効果があった。
  • 90歳以降では、お肉の消費が少ないことの(延命)効果は薄れていた。


備考:
※1:お肉の消費量が少ない=1週間に1回未満
※2:6つの研究のうち4つの研究で相関あり、残り2つは有意な相関ではなかった。

参考:
2003年ロマリンダ大学「肉の消費量が低いことは、ヒトの平均余命を伸ばすか」

50万人以上の大規模研究

アメリカで行われた50万人以上を対象にした、 10年に渡る食生活を調査した研究(※1)によると、 「牛肉、豚肉、および加工肉の大量摂取は総死亡率、がん死亡率、心血管系の死亡率を高める」と発表しています。

この研究では、 50~71歳の健康な54万5653人(分析の対象外となった人を除く)を10年間に渡って調査したところ、 以下の様な結果が得られました。

赤肉(主に牛・豚※2)の摂取量が多い人の特徴(少ない人との比較)
  • 【死亡率全体】男性で1.31倍、女性で1.36倍 高かった。
  • 【ガン】男性で1.22倍、女性1.20倍 高かった。
  • 【心血管疾患】男性で1.27倍、女性1.50倍 高かった。


加工肉(ベーコン、ソーセージなど※2)の摂取量が多い人の特徴(少ない人との比較)
  • 【死亡率全体】男性で1.16倍、女性で1.25倍 高かった。
  • 【ガン】男性で1.12倍、女性1.11倍 高かった。
  • 【心血管疾患】男性で1.09倍、女性1.38倍 高かった。


白肉(主に魚・鶏※2)の摂取量が多い人の特徴(少ない人との比較)
  • 男女とも全死亡率、がん死亡率、他の死亡原因と逆相関の関係にあった。(※3)


この研究内で用いられた赤肉の摂取量
赤肉の摂取量が少ない人 赤肉の摂取量が多い人
一日平均摂取量 男性:18g
女性:14g
男性:144g
女性:108g
摂取カロリー 男性:1,899kcal
女性:1,526kcal
男性:2,116kcal
女性:1,646kcal


備考:
※2:
赤肉とは・・・主に牛肉、豚肉
その他、ベーコン、コールドカット、ハム、ハンバーガー、ホットドック、レバー、ソーセージなど

白肉とは・・・主に家禽(鶏肉)、魚
その他、低脂肪ソーセージ、低脂肪ホットドック、ツナ缶、など

加工肉とは・・・ベーコン、ソーセージ(赤肉、家禽)、ランチョンミート、ハム・サラミなどのコールドカットなど

※3:
男性では、わずかに心血管系疾患による死亡率の増加がありました(1.05倍)

参考:
※1:2009年シンハ博士ら「肉の摂取と死亡率(50万人以上の前向き研究)」

お肉を減らす健康法・ダイエット

地中海式ダイエットの効果
お肉を控え、野菜、魚、未精製の穀物を中心に摂取する食事療法で、 2013年ユネスコの無形文化遺産に登録されたダイエット方法が地中海式ダイエットです。

主にスペイン、南イタリア、ギリシャなど、 地中海に面した人々の食生活が、 健康面において様々な良い影響を与えることが医学的に証明された結果、 世界で注目されているダイエット方法です。

この食事療法は単にダイエットに効果があるだけでなく、 研究者らは「全米コレステロール教育プログラムよりも地中海式ダイエットの方が優れているのでは」 と発表しているほどです。

詳しくは、地中海式ダイエットの効果をご参照下さい。


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