痩せない原因は病気の可能性

痩せない原因は病気の可能性
摂取カロリーを基礎代謝以下に抑えているにも関わらず、 痩せない場合があります。

中には、食事の摂取量を毎日1,000kcal以下に抑えているにも関わらず、 痩せない人もいるほどです。

このようなケースにおいて痩せない原因は 病気の可能性があります。

ここでは、痩せない原因となる幾つかの病気と見落としがちな原因について、 紹介しています。


痩せない時に疑うべき病気

痩せない時に疑うべき病気など
■病気
  • 甲状腺機能低下症
  • 低体温症
  • ストレス、副腎疲労
  • 肝臓・腎臓機能の低下
■見落としがちな原因
  • 筋肉量
  • 腸の細菌
  • 睡眠不足

甲状腺機能低下症

甲状腺による人体のエネルギー変換理論は、 1895年にマグナス・レビー アドルフによって提唱されました。

それ以来、 甲状腺は「エネルギーを作り出す臓器」と呼ばれ、 その機能が低下するとエネルギーを作れなくなるため、基礎代謝が大幅に低下してしまいます。

肥満の国際ジャーナルの一記事に掲載されている内容によると、 「甲状腺機能低下症の患者は、正常時と比較するとおよそ15%以上の体重増加の傾向がみられる」 と掲載しています。

また、甲状腺機能低下症患者の中には、 毎日の食事摂取カロリーを、1,000kcal以下に抑えているにも関わらず、 「痩せない」と訴える人もいるほどです。

日本内分泌学会が発表している「甲状腺機能異常を示す患者総数」によると、 甲状腺の自己抗体検査(Tg、TPO)が陽性の割合から、 「約2,385万人が潜在的な甲状腺疾患(殆どが橋本病?)を有することになる」と発表しています。

甲状腺の自己抗体検査(Tg、TPO)が陽性の割合(健康診断受診者)
  • 男性で14.4%(約7名に1人)
  • 女性で24.7%(約4名に1人)
  • 全体で21.7%(約5人に1人)
  • そのほとんどが橋本病?(甲状腺機能低下症の1つ)
    ※原文ママ 推測記号「?」あり

甲状腺の自己抗体検査が陽性であることは、 甲状腺疾患であることとイコールではないものの、 TgAb(抗サイログロブリン抗体)とTPOAb(抗ペルオキシダーゼ抗体)が陽性の場合、 自己抗体が甲状腺を破壊し、甲状腺ホルモンの産出量が現在あるいは将来的に低下する可能性があることを示します。 (まれにバセドウ病でも陽性になります。)

参考:
※:日本内分泌学会:「潜在性甲状腺機能低下症の実態調査」

甲状腺機能低下症の他の症状や治療については、 甲状腺機能低下症が疲労の原因か判断するをご参照下さい。

低体温症

厚生労働省の発表によると、 「体温が1℃上昇するごとに、代謝量は13%増加する」としています。

代謝量13%は、年齢と性別によるものの、 およそ133~197kcalの基礎代謝の低下を意味し、 1ヶ月で0.5kg~0.8kg、体重が増加してしまいます。

この低体温による基礎代謝の低下により、 女性はほとんどの年齢において、 基礎代謝が1,000kcalを下回るようになり、 運動などの要素を取り入れない限り、痩せることが非常に難しくなってしまいます。

低体温症の人の基礎代謝 男性(年齢別)
年齢、性別 基礎代謝
通常(※1) 低体温時(※2)
20代男性 1,520kcal 1,322kcal
30・40代男性 1,520kcal 1,322kcal
50・60代男性 1,380kcal 1,200kcal
70以上男性 1,230kcal 1,070kcal

低体温症の人の基礎代謝 女性(年齢別)
年齢、性別 基礎代謝
通常(※1) 低体温時(※2)
20代女性 1,140kcal 991kcal
30・40代女性 1,180kcal 1,026kcal
50・60代女性 1,100kcal 957kcal
70以上女性 1,030kcal 896kcal


参考:
※1:厚生労働省、日本人の基礎代謝基準値
※2:上記値から、低体温による基礎代謝の低下率13%を減算

一方、低体温症は寿命の増加に関わる可能性も示唆されており、 低体温症を改善するかどうかは個人の意思が重要になります。

詳しくは、 低体温症の原因と改善方法をご参照下さい。

ストレス、副腎疲労

副腎疲労と体重増加の関係はいささか複雑です。

これは、副腎疲労には「抵抗期」と「疲憊期」が存在し、 抵抗期には副腎の活動が活発になるものの、 疲憊期には副腎の活動が低下するため、反対の症状が出てしまうからです。

また、抵抗期にはコルチゾールが過剰に分泌され、 体重は本来痩せやすくなります。

しかし、副腎疲労の原因となるストレスを緩和するため、 高カロリー食(甘いものや脂肪分)を欲することと、 高コルチゾールによりインスリンの働きが弱まり満腹中枢が機能しなくなるため、太るケースもあります。

肝臓・腎臓機能の低下

厚生労働省「全身およびおもな臓器・組織のエネルギー代謝 」によると、 全身の中で、比較的エネルギー代謝が大きい臓器は、以下の4つです。

エネルギー消費が大きい臓器
  • 肝臓・・・360kcal/日
  • 脳 ・・・340kcal/日
  • 心臓・・・145kcal/日
  • 腎臓・・・137kcal/日

このうち、肝臓と腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、 末期症状が出るまでその悪化に気づくことはほとんどありません。

そのため、肝臓や腎臓の悪化が、 体重増加、ダイエットがうまくいかない原因である可能性があります。





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