基礎代謝が低い原因②

基礎代謝が低い原因のうち、 一般的な体重計の基礎代謝の算出には考慮されない要素について、紹介しています。

基礎代謝が低い原因一覧については、 基礎代謝が低い原因①をご参照下さい。

また、基礎代謝が低い原因を反映した男女別、年代別、基礎代謝については、以下をご参照下さい。


それぞれの意味(なぜ・どれくらい基礎代謝に影響を与えるのか) 続き

体温とホルモン

厚生労働省の発表によると、 「体温が1℃上昇するごとに、代謝量は13%増加する」と発表しています。

基礎代謝量13%は、 年齢と性別だけを考慮した場合、 およそ133~197kcalの基礎代謝の低下を意味し、 1ヶ月で0.5kg~0.8kg、体重が増加してしまいます。

体温1℃低下による基礎代謝の違い
■男性
  • 1日あたり159~197kcal
  • 1ヶ月あたり4,710~5,910kcal基礎代謝量減少
  • 1ヶ月あたり0.6kg~0.8kg体重増加(※1)
■女性
  • 1日あたり133~153kcal
  • 1ヶ月あたり3,990~4,590kcal基礎代謝量減少
  • 1ヶ月あたり0.5kg~0.6kg体重増加(※1)

(※1)や体温と体重の関係については、 痩せない原因は病気の可能性をご参照下さい。

ホルモン

ホルモンのうち、特に基礎代謝に影響を与えるのは、 甲状腺ホルモンと副腎髄質ホルモンです。

甲状腺は「エネルギーを作り出す臓器」と呼ばれ、 その機能が低下するとエネルギーを作れなくなるため、基礎代謝が大幅に低下してしまいます。

肥満の国際ジャーナルの一記事に掲載されている内容によると、 「甲状腺機能低下症の患者は、正常時と比較するとおよそ15%以上の体重増加の傾向がみられる」 と掲載しています。(※1)

副腎髄質ホルモンは、ストレス、怒り、不安などによって反応する臓器で、 基本的には基礎代謝を上げるよう作用します(ただし、疲憊期には基礎代謝が低下します)。

ホルモンと基礎代謝
  • 甲状腺ホルモンが低下(甲状腺機能低下症)すると、基礎代謝が低下する
  • 副腎髄質ホルモンはストレスに反応し、基礎代謝を上げる

その他、成長ホルモン、エストロゲン、プロゲステロンなども基礎代謝に影響を与えます。

備考:
※1:甲状腺ホルモンの低下は、症状として体温の低下を有する場合が多くなっています。

季節

季節(外気温)による基礎代謝の違いは、 体を最適な温度に維持するための人体の機能によるものです。

外部温度が低い(寒い)ほど、 熱の生産を必要とするため、基礎代謝が上がります。

オランダで行われた研究(※1)によると、 気温によって、エネルギー代謝量が異なることが示されました。

この研究は基礎代謝そのものの研究ではなく、 エネルギー代謝量であったものの、 気温6℃の違い/24時間(16度と22度)で、 167kcalのエネルギー代謝量の違いがありました。

気温5℃上昇によるエネルギー代謝量の違い
  • 1日あたり139kcalエネルギー代謝量が減る(※2)
  • 1ヶ月あたり4,170kcalエネルギー代謝量が減る(※3)
  • 1ヶ月あたり0.59kg体重が増加する(※4)


参考:
※1:2002年「低い気温でのヒトのエネルギー代謝」
※2:167kcal ÷ 6 × 5より算出
※3:139kcal × 30日より算出
※4:4,170kcal(エネルギー代謝量) ÷ 7,000kcal(体重1kg増加)より1ヶ月の増加体重を算出

月経

この月経が体重に影響を与える原因は、 完全には解明されていないものの、 エストロゲンとプロゲステロンの影響よるものと考えられています。

月経周期と体重
  • 低温期(1日~15日頃)には体重が増加しやすい
  • 高温期(16日~28日頃)には体重が減少しやすい

また、月経は基礎代謝に影響を与えるほか、 食欲にも影響を与え、月経周期と体重には、以下の様な関係があります。

女性ホルモンと食欲・基礎代謝(※1)
■食欲
  • エストロゲン濃度のピーク時に食欲が最も減少する。
    中でもエストラジオールが食欲を阻害する重要な因子である可能性がある
  • プロゲステロンが食欲刺激効果を有する可能性がある
  • 低温期と比較すると、高温期は90~500kcal/日、食欲(エネルギー摂取量)を増加させる
■基礎代謝
  • 低温期と高温期では基礎代謝が11.8%異なる


参考:
※1:2007年「エネルギーバランスの決定要因に関する月経周期の影響」


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