地中海式ダイエットの方法

主にスペイン、南イタリア、ギリシャなど、 地中海に面した人々の食生活が、 健康面において様々な良い影響を与えることが医学的に証明された結果、 世界で注目されているダイエット方法です。
ここでは、地中海式ダイエットの具体的な方法について、紹介しています。
地中海式ダイエットの効果については、 地中海式ダイエットの効果をご参照下さい。
食べる頻度は4段階+1オプション
地中海式ダイエットの方法は、 食べ物ごとに、食べる回数が設けられています。具体的には、 野菜や果物など毎日食べるよう勧めているものから、 お肉や甘味(スィーツ)のように月に数回しか食べないよう警告されているものの4段階に分けられています。
また、お酒(ワイン)はオプションで摂取するかどうか、 ご自身で選択できます。
食べる頻度(4段階+1オプション)
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頻度と食べ物
頻度ごとの食べ物の内容は以下の通りです。
地中海式ダイエットの方法(食べ物と頻度)
■毎日食べるもの(基礎となる消費)
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オリーブオイル

オリーブオイルは食事の調理時に使われるほか、 野菜のドレッシングや香料としても利用されます。
オリーブオイルの脂肪分は身体に悪い「飽和脂肪酸」や「トランス脂肪酸」ではなく、 身体に良い「不飽和脂肪酸」を利用しているため、 コレステロールや動脈硬化の予防に効果があります。
野菜

野菜で満腹感を得るほど多くの量を食べることが推奨され、 一日に10人前以上食べることを推奨する人もいるほどです。
また健康増進のため、 上記オリーブオイルをドレッシングとして利用する場合もありますが、 オリーブオイルは大さじ1杯112kcalもあるため、 ダイエット目的の場合、かけすぎには注意が必要です。
果物

また、生搾りのフレッシュジュースは果物と同様の効果があるとみなされるものの、 既成の果物飲料は地中海式ダイエットでは果物ほどの利点はないとみなされています。
穀物(ただし未精製)
また、 未精製の穀物は心臓病、2型糖尿病、肥満、いくつかの癌などをリスクを軽減するほか、 腸の健康を促進し、便通を良くします。
反対に、精製された穀物は、 血糖値に重大な損害(高グリセミック指数食品)を与えることから、 あまり取るべきでなはいとされています。
豆類・種子

種子とはアーモンド、クルミ、ナッツ、ひまわりの種などで、 日本ではおかずとしてはあまり馴染みのないものですが、 食欲を抑制するのに役立ちます。
また、豆類にはエンドウ豆、レンズ豆などのほか、 豆腐や納豆などに使われる大豆製品も豆類に含まれるため、 豆類を使うレシピを考えることに、困ることはないかもしれません。
ハーブ・スパイス

地中海式ダイエットで多く使われるハーブは、 アニス、バジル、ベイリーフ、クローブ、クミンなどで、 日本のスーパーでも簡単に手に入るものが多くなっています。
魚貝類

特にオメガ3脂肪酸が豊富な魚、貝は、 脳と生殖器官の健康に貢献すると考えられ、 アメリカ心臓協会も、週に2回、魚を食べることを推奨しています。
ただし、揚げ物やバター炒めなど、 飽和脂肪酸を使った調理方法はあまり勧めらていません。
オメガ3脂肪酸が豊富な魚、貝
■魚
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乳製品(チーズ、ヨーグルト)

ただし、チーズは身体に悪い動物性脂肪(飽和脂肪酸)が多く含まれることや、 いくつかのヨーグルト製品は加糖されているため、 食べる量が気になる場合は、 低脂肪、無脂肪、糖質0(ゼロ)の乳製品でも良いとされています。
卵

日本の厚生労働省でも、 「食品に含まれるコレステロールと、血中コレステロールの関係は薄い」とし、 2016年には摂取量制限が撤廃される予定です。
鶏肉

これは鶏肉が豚肉や牛肉とは異なり、 高タンパク低脂肪であるためです。
日本では、鳥肉の部位別に集めて食べる焼き鳥がありますが、 カロリーや脂肪分の多い焼き鳥の「皮」は、 半分近くが脂肪分(動物性)のため、 皮だけの大量消費は例外に含めるべきでしょう。
甘味(スィーツ)
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砂糖やトランス脂肪酸が多く含まれるアイスクリームやお菓子は、 血糖値を上げ、悪玉コレステロールや中性脂肪を増やすことから、 避けられるべき食べ物と考えられています。
地中海式ダイエットでは、 甘味(スィーツ)に代わって、 食後には果物が提供されるほか、 ジェラートとシャーベットが週に数回食べられます。
肉

また、お肉を食べる場合には、 脂肪分の少ない赤肉が好まれます。
ハーバード大学ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのマウスを使った研究においても、 高タンパクの食事(低炭水化物ダイエットに相当)の危険性を示唆しています。
詳しくは動脈硬化の原因をご参照下さい。
ワイン

米国心臓協会の栄養委員会、トーマス・A・ピアソン医学博士によると、 毎日1~2杯の飲酒は、冠状動脈性心臓病(CHD)、アテローム性動脈硬化のリスクを30~50%減少させると発表しています。
これは、「全くアルコールを飲まない人や、 たまに飲む人よりも、 毎日アルコールを飲む人の方が健康であった」と述べているほどです。
この結果は、アルコールが、 HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させることや、 血液凝固を減少させ、血栓を破壊するなどの効果によるものです。
しかし、 大量のアルコール消費は、 アルコール依存症、脳卒中、アルコール性心筋症、 癌、肝硬変、膵炎、自殺、殺人などを引き起こす危険があるため、 地中海式ダイエットにアルコールを取り入れる場合、 「飲んでも1~2杯程度に抑える」という、非常に強い意思が必要になります。
適量とされるアルコールの量については、アルコールと動脈硬化をご参照下さい。
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