基礎代謝が低い原因

基礎代謝が低い原因
毎日の摂取カロリーを基礎代謝以下に制限しているにも関わらず、 痩せない場合があります。

これは、基礎代謝に影響を与える要素のいくつかが考慮されておらず、 本当の基礎代謝量が間違っていることが原因かもしれません。

その結果、 カロリー摂取量が基礎代謝を超え、痩せない原因になっている場合があります。

ここでは、基礎代謝を決める因子とその影響について、 紹介しています。

また、それら結果を反映した男女別、年代別、基礎代謝については、以下をご参照下さい。


基礎代謝に影響する8つの要素

基礎代謝に影響を与える要素は8つです。

このうち、家庭用の体重計(体脂肪計・基礎代謝計測器)では、 反映されない要素が4つあります。

食事摂取量を基礎代謝以下に制限しているにも関わらず、 痩せない場合は、 それら反映されない要素が原因かもしれません。

基礎代謝に影響する8つの要素
■正確に反映されるもの
  • 年齢
  • 性別
■正確でない場合がある(他のもので代用している、あるいは、体重計によっては計測値が正確でない)
  • 体表面積
  • 体格
■ほとんどの体重計で基礎代謝の影響因子として反映されていない
  • 体温
  • ホルモン
  • 季節
  • 月経

「体温」、「ホルモン」、「季節」、「月経」は、他の要素同様、 基礎代謝を決める重要な因子ですが、 これらを正確に測ることができる家庭用体重計はありません。
(あるかもしれませんが、世間一般にはあまり知られていません。)

それぞれの意味(なぜ・どれくらい基礎代謝に影響を与えるのか)

年齢

基礎代謝が低い原因 年齢
年齢は若いほど基礎代謝が大きくなります。

基礎代謝が最も大きいのは赤ちゃんで、 1歳~2歳の男の赤ちゃんを例に取ると、 1kgあたりの基礎代謝は20代男子の2.54倍、70歳男性の2.83倍になります。

また、20代の基礎代謝を基準とすると、 年を重ねるごとに基礎代謝は減少し、 摂取カロリーが20代と同じ場合、 体重は増加してしまいます。

年齢による基礎代謝の減少と体重の増加(※1)
■男性(20代を基準値とした場合)
  • 30~49歳男性:-110kcal/日減少 ・・・ 1ヶ月で0.47kg増加
  • 50歳以上男性:-162kcal/日減少 ・・・ 1ヶ月で0.69kg増加
■女性(20代を基準値とした場合)
  • 30~49歳男性:-100kcal/日減少 ・・・ 1ヶ月で0.42kg増加
  • 50歳以上男性:-153kcal/日減少 ・・・ 1ヶ月で0.65kg増加


備考(グラフを含む):
※1:
厚生労働省 基礎代謝基準値(kcal/kg/日)の年齢区分別基礎代謝を元に、 男性:65kg、女性:53kgでそれぞれ計算。

20代男性:24(基礎代謝基準値)×65kg = 1,560kcal
30~49歳男性:22.3(基礎代謝基準値)×65kg = 1,449kcal
50歳以上男性:21.5(基礎代謝基準値)×65kg = 1,397kcal

20代女性:23.6(基礎代謝基準値)×53kg = 1,560kcal
30~49歳女性:21.7(基礎代謝基準値)×53kg = 1,449kcal
50歳以上女性:20.7(基礎代謝基準値)×53kg = 1,397kcal

また、上記計算結果を元に、
1日基礎代謝 × 30日 ÷ 7,000kcal(体重1kg増加)より1ヶ月の増加体重を算出

性別

性別は基礎代謝を決める重要な要素ですが、 この性別による基礎代謝の影響をさらに細かく分けると、以下で表すことができます。

  • 体表面積
  • 体格(筋肉量)
  • ホルモン
  • 月経周期
それぞれの内容については、 以下をご参照下さい。

体表面積

体表面積は概ね身長と体重に比例し、 多くの体重計でも基礎代謝を決める因子として採用されています。

この体表面積が大きいことは、 体から放出される熱量が増えるため、 基礎代謝量が増えます。

体表面積を測定する計算式は、 提唱者によっていくつかの異なった式があるものの、 1987年モステラーが発表した「体表面積の簡易計算」をはじめ、 ほとんどの計算式では、身長が高いほど体表面積が大きくなります。

そのため、 同じ体重であっても、 身長が高いほど、基礎代謝が大きくなり、 身長が低いほど、基礎代謝は小さくなります。

基礎代謝と身長(※1)
■基礎代謝と身長の関係
  • 体重が同じ場合、身長が高いほど基礎代謝は大きい
■身長5cmの基礎代謝の違い(※2)
  • 男性:25kcal
  • 女性:21kcal


備考:
※1:体表面積の計算には、「藤本式」(体重^0.444×身長^0.663×0.008883)を採用しています。

※2:体表面積と基礎代謝量の関係については、体表面積に係数を乗じる単純なものから、 複雑な計算式までいくつかの種類があります。

それらのいくつかを当サイトにて分析した結果、厚生労働省が発表している基礎代謝量と乖離していたため、 それら係数を採用せず、日本人の標準体型(身長・体重)と藤本式による体表面積、厚生労働省発表による基礎代謝量から、 最も近い係数を導き、その係数を元に「同じ体重の場合の身長5cmの基礎代謝の違い」としています。

体格

体格とは「筋肉・骨格・栄養状態などに現れる体の外観的状況」ですが、 基礎代謝の違いに最も大きな影響を与えるのは筋肉です。

普段あまり運動をしない人は、 30歳以降、筋肉量を毎年減らし続けます。
詳しくは、サルコペニア(筋肉量減少)をご参照下さい。

そして、筋肉は基礎代謝が比較的大きな組織であるため、 筋肉量が減ることは、基礎代謝の低下を意味します。
筋肉量5%低下による基礎代謝の違い
■男性
  • 1日あたり基礎代謝39~86kcal低下
  • 1ヶ月あたり過剰カロリー1,170~2,580kcal
  • 1ヶ月あたり0.16kg~0.36kg体重増加(※1)
■女性
  • 1日あたり基礎代謝31~70kcal低下
  • 1ヶ月あたり過剰カロリー930~2,100kcal
  • 1ヶ月あたり0.13kg~0.3kg体重増加(※1)

備考:
脂肪の基礎代謝量は1kgあたり1kcalです。
また、筋肉の基礎代謝は13~27.5kcal(提唱者によって異なる)です。

体脂肪を5%減らした場合(筋肉が5%増加した場合)、同じ体重であっても、
男性(65kg):39kcal~86kcal
女性(53kg):31kcal~70kcal
基礎代謝が上がります。

※1:基礎代謝の差異 × 30日 ÷ 7,000kcal(1kg減量に必要なカロリー)より算出

筋肉量と基礎代謝については、 痩せない原因(見落としがちな原因) をご参照下さい。





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