糖化が肌の老化の原因

糖化が肌の老化の原因
「紫外線」、「酸化」、「乾燥」と並んで、 肌の老化を促進する原因の1つが糖化です。

糖分は身体のエネルギーとして必要な栄養素であるものの、 この糖分を摂り過ぎてしまうと、 糖化反応により、 「コラーゲンの硬化」、「しわ、たるみ」、「新陳代謝の低下」などといった 肌の老化の原因となります。


糖化とは

糖化とは

糖化とは簡略化すると、「糖分」と「たんぱく質」が結びついて、 肌の老化を促進してしまう反応です。

もう少し正確に言えば、 「還元糖」と「アルデヒド基」が結びつき、 AGEs(たんぱく糖化最終生成物)という有害物質を生成し、 このAGEs(たんぱく糖化最終生成物)が身体のあちこちにある受容体と結びついて、 人間の組織に損傷をもたらすことです。

この受容体は血管や内蔵だけでなく、 身体のさまざまな細胞に存在し、 コラーゲンの破壊、エラスチンの硬化など、炎症反応をもたらします。

「糖化」は老化作用が強い

糖化は肌の老化に関わる4大要因の1つで、 紫外線や乾燥ほど強くはないものの、 糖化は酸化と同程度に、 肌の老化を促進する要因となっています(糖化の程度に依存)。

  • 紫外線
  • 乾燥
  • 酸化
  • 糖化
また、糖化は酸化(細胞を損傷し、様々な病気や老化の原因になる)に抗う抗酸化作用のある物質の働きを弱めてしまうため、 糖化により肌の老化がますます進んでしまいます。

糖化による肌の老化とは

糖化による肌の老化とは

糖化による肌の老化は「AGEs(たんぱく糖化最終生成物)の肌への蓄積」を直接の原因とし、 その結果、「線維芽細胞の機能低下」、 「コラーゲン繊維の硬化」、「筋力の低下」、「肌の新陳代謝低下」などによってもたらされます。

糖化による肌の老化とは
■肌の老化
  • くすみ・黄ばみ
  • 皮膚硬化(肌の弾力の低下、コラーゲンの硬化)
  • しわ・たるみ
  • 新陳代謝の低下による肌の老化
  • シミ
■その他
  • 認知機能の低下
  • 動脈硬化
  • 骨粗しょう症
  • 心血管疾患
  • 脳卒中
  • 糖尿病合併症
  • 白内障
  • 慢性腎不全
  • アルツハイマー病
  • 関節炎
  • 網膜症
  • 歯肉炎、歯周病
  • その他身体の酸化的損傷

くすみ・黄ばみ

糖化による皮膚のくすみ・黄ばみは、 糖化によって皮膚、特に真皮層が黄色化するためです。

食品の糖化はメイラード反応とも呼ばれ、 肉を焼くと赤みが褐色に変化したり、 パンやご飯が焦げると褐色に変化するなど、 それまでとは異なった色(黒や褐色)への変化を促します。

このメイラード反応が肌で起こる「=糖化」は、 食品同様、肌の変色を引き起こし、 くすみ、黄ばみ、透明感の減少につながります。

皮膚硬化(肌の弾力の低下、コラーゲンの硬化)

皮膚の硬化、肌の弾力低下は、 「線維芽細胞の機能低下」、「コラーゲンの変性(硬化)」によるものです。

真皮層にある線維芽細胞は、 コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった成分を作り出す細胞です。 糖化はこの線維芽細胞の機能を低下させ、 コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産出量を低下させてしまいます。

京都薬科大学で行われた研究では、 AGEs(たんぱく糖化最終生成物)が皮膚の真皮層に蓄積し、 線維芽細胞の非特異的な作用を通じて、細胞機能を劣化させるとしています。

また、コラーゲンそのものはたんぱく質のため、 糖化によってコラーゲンも変性・劣化してしまい、 肌の弾力が低下します。

糖化はコラーゲン(たんぱく質)同士を強固に結びつけてしまう作用が働くため、 肌がより固くなり、肌の柔軟性が失われてしまいます。

しわ、たるみ

しわは皮膚の弾力低下によるものです。

皮膚はコラーゲンやエラスチンによって肌の弾力を保っていますが、 糖化はコラーゲンやエラスチンの産出を低下させるだけでなく、これらを強固に結びつけてしまいます。

その結果、肌の弾力を低下させ、深いシワが形成されてしまいます。

また、糖化は筋力の低下を促します。 2015年、台湾で行われた研究によると、 糖尿病患者における筋力低下に注目し、 糖尿病の合併症である糖化によるAGEs(たんぱく糖化最終生成物)が、 筋力の老化を促す、としています。

筋力の低下によりそれまで維持できていた肌・皮膚を維持できなくなり、 それらがしわやたるみを形成します。

新陳代謝の低下による肌の老化

新陳代謝は肌の細胞を新しく再生する能力です。
糖化は細胞の代謝能力を奪い、肌の新陳代謝を低下させます。

また、新陳代謝を促す必要な栄養素は血液によって運ばれますが、 糖化は血管を詰まらせる動脈硬化の原因にもなります。

新陳代謝が低下した肌は、皮脂量の低下、角質層の乱れなどを引き起こし、 厚い角質層、乾燥肌、荒れた肌などとして現れます。

シミ

シミの直接の原因は紫外線によるメラニン色素の生成です。

しかし、若い頃はシミができてもすぐに消えるように、 新陳代謝が活発であれば、シミが蓄積した古い角質は表面に押し上げられ、 自然とシミが剥がれていきます。

糖化はこの新陳代謝の活動を不活性化することで、 肌の老化、シミを真皮層に閉じ込めてしまいます。

糖化を防止するには「抗糖化」

抗糖化とは、「糖化反応に抗う」あるいは「糖化反応を防止する」方法です。

しかし、糖化反応を起こさせないようにするために、 糖質を完全に除去することを意味するわけではありません。

糖化反応を起こさせないよう、 糖質の量を減らしたり、生活習慣を変更したりすることを意味します。





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