基礎代謝を上げる方法
基礎代謝を上げるとは、運動をせず日々の消費カロリーを多くする方法です。基礎代謝とは、「身体的・精神的に安静にしている状態でのエネルギー代謝量」とされ、 おおよそ8つの要素によって決まります。
詳しくは 基礎代謝が低い原因をご参照下さい。
ここでは、基礎代謝を決める要因のうち、 基礎代謝を上げる有益な方法、あるいは、すべきでない方法について、 紹介しています。
基礎代謝を上げる方法 一覧
■基本
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基本
冷たい水を飲む
冷たい水を飲むことで基礎代謝が上がるのは、 冷たい水で下がった深部体温を、 元の状態(臓器が必要とする適切な体温)に戻すため、熱(カロリー)が生じるためです。そのため、水は冷たいほど効果があります。
ドイツ フンボルト大学で行われた研究によると、 500mlの水を飲むことで、 最大40分、基礎代謝を30%向上させると発表しています。
また、水を飲むことは基礎代謝を上げる以外にも、 ダイエット効果があります。
詳しくは、 水飲みダイエットでどれくらい痩せるのか? をご参照下さい。
室温を下げる(薄着にする)
室温や外気温が低いほど、基礎代謝は上がります。これも水を飲むことと同様の原理で、 体を最適な温度に維持するため、熱(カロリー)が生じるためです。
オランダで行われた研究(※1)によると、 気温16度と22度の環境で24時間過ごしたところ、 167kcalのエネルギー代謝量の違いがありました。
詳しくは 基礎代謝が低い原因②をご参照下さい。
筋肉量を増やす
筋肉量を増やすことは基礎代謝を増やす有益な手段です。特に30歳以降、普段運動をしない人は、 その筋肉量を毎年減らし続け、基礎代謝が低下してしまいます。
筋肉量5%低下による基礎代謝の違い
■男性
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備考:
脂肪の基礎代謝量は1kgあたり1kcalです。
また、筋肉の基礎代謝は13~27.5kcal(提唱者によって異なる)です。
体脂肪を5%減らした場合(筋肉が5%増加した場合)、同じ体重であっても、
男性(65kg):39kcal~86kcal
女性(53kg):31kcal~70kcal
基礎代謝が上がります。
※1:基礎代謝の差異 × 30日 ÷ 7,000kcal(1kg減量に必要なカロリー)より算出
脂肪の基礎代謝量は1kgあたり1kcalです。
また、筋肉の基礎代謝は13~27.5kcal(提唱者によって異なる)です。
体脂肪を5%減らした場合(筋肉が5%増加した場合)、同じ体重であっても、
男性(65kg):39kcal~86kcal
女性(53kg):31kcal~70kcal
基礎代謝が上がります。
※1:基礎代謝の差異 × 30日 ÷ 7,000kcal(1kg減量に必要なカロリー)より算出
筋肉量と基礎代謝については、 痩せない原因(見落としがちな原因) をご参照下さい。
病気を治す
基礎代謝が低下する最も多い病気が甲状腺機能低下症です。甲状腺機能低下症の症状の一つが低体温(冷え性を含む)です。
厚生労働省の発表によると、「体温が1℃上昇するごとに、代謝量は13%増加する」と発表しており、 言い換えると、「甲状腺機能低下症による体温が1℃低下すると、基礎代謝は13%低下」します。
また、肥満の国際ジャーナルにも「甲状腺機能低下症の患者は、正常時と比較するとおよそ15%以上の体重増加の傾向がみられる」と掲載されています。
そのため、甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、 基礎代謝が著しく低下します。
ただし、安易な甲状腺ホルモンの摂取は 甲状腺機能亢進症や、時には死に至る場合もあるため、 注意が必要です。
あくまで甲状腺ホルモンの分泌量が低下している場合のみ、 基礎代謝を上げる(正常に戻す)のに、甲状腺ホルモンは有益です。
甲状腺機能低下症と基礎代謝については、 基礎代謝が低い原因をご参照下さい。
基礎代謝は上がるものの、健康に良くないもの
体重が増えると基礎代謝は上がります。これは体重が増えると体表面積(熱放出面積)が増えるからです。
ただし、基礎代謝を上げたい理由のほとんどがダイエットであることを考えると、 手段としては矛盾してしまいます。
また、ストレス環境に身を置くことで基礎代謝が上がるのは、 副腎の活性化(副腎髄質ホルモン)によるものです。
ただし、ストレスによって基礎代謝は上がるものの、 元となるストレスを緩和するため、 高カロリー食(甘いものや脂肪分)への要求が高まるほか、 高コルチゾールによりインスリンの働きが弱まり満腹中枢が機能しなくなるため、 太るケース(ストレス太り)が多いため、 ストレス環境に身を置くことは、 ダイエットやストレスによる精神疲労に対してリスクを伴います。
また、女性の月経周期のうち、高温期(プロゲステロン優位)になると、体温が上昇するため、 基礎代謝は上がるものの、プロゲステロンは食欲刺激効果を有する可能性が示唆されているほか、 プロゲステロンの過剰摂取はホルモンバランスの観点からもリスクを伴います。