抗糖化サプリメント

抗糖化作用をもつ栄養素には、
  • 糖の代謝を促進する働き
  • コラーゲンと糖が結合するのを防ぐ働き
  • AGEsを吸着して排出する働き
の3種類があり、 大学や機関などを通じて、 様々な研究が行われています。

ただし、これらサプリメントを摂取したからといって、 血糖値を上げる食習慣が、帳消しになるわけではありません。


抗糖化作用をもつ栄養素

抗糖化作用をもつ食品と栄養素
■糖の代謝を促進する働き
  • ビタミンB
■コラーゲンと糖が結合するのを防ぐ働き
  • αリポ酸
  • ルチン
■AGEsを吸着して排出する働き
  • 海草類、昆布、海苔
  • きのこ類 椎茸
  • ネバネバ食品、納豆、山芋

ビタミンB

ビタミンBのうち、ビタミンB1(チアミン)およびビタミンB6(ピリドキシン)に、 抗糖化作用があります。

ビタミンB1(チアミン)

ビタミンB1(チアミン)は天然の抗AGE/RAGEと呼ばれるビタミンです。

1996年、イタリアのトリノ大学で行われた研究では、 ビタミンB1(チアミン)は高いグルコース(高血糖)状態において、 生存細胞の増加と、死亡細胞の減少に効果があった、と発表しています。

また、英国エセックス大学で行われた研究でも、 糖尿病ラット(AGEsの増加以外に、脂質異常症など含む)に 高用量のチアミンとベンフォチアミンを投与したところ、 初期の腎症の発症を防止しました。

しかし、ドイツキーセン大学で行わた研究では、 糖尿病誘発性糖酸化物(CML)をベンフォチアミンは防止したものの、 チアミンは影響を及ぼさなかったとし、 その他多くの研究でもベンフォチアミンの有効性を唱える一方、 チアミンには懐疑的な研究が多く見られます。

ビタミンB1誘導体であるベンフォチアミンは、 通常のビタミンB1よりも吸収効率が良く、 高血糖によって誘発される炎症を減少させ効果があるとされています。

このベンフォチアミンと非常によく似た成分がアリナミンに含まれるビタミンB1誘導体「フルスルチアミン」ですが、 全く同じかどうか、その詳細は明らかにされていません。

ビタミンB6(ピリドキシン)

ビタミンB6(ピリドキサミン)は、 脂から誘導されるAGEの形成や糖尿病性腎症に効果があります。

アメリカピッツバーグの糖尿病研究所で行われた実験では、 ピリドキサミンが、 糖尿病性腎症の原因のひとつである血漿中のAGEsの蓄積を減少させると同時に、 糖尿病性腎症の進展を抑制することが示されました。

また別の研究では、 1日2回、ピリドキサミン50mgを与えられた65名の患者と、 プラセボ(偽薬)を与えられた63名の患者を比較したところ、 ピリドキサミンはプラセボ群と比較して、血漿中のAGEレベルを減少させました。

αリポ酸

αリポ酸は糖化反応を起すために必要な遊離グルコースの量を減らし、 AGEs(糖化最終生成物)の形成を減少させるほか、 酸化防止剤として、炎症反応を防止します。

ドイツのハイデルベルク大学で行われた研究によると、 αリポ酸による細胞の抗酸化は、 アルブミン誘発性の内皮機能障害AGEを軽減する、としています。

また、 同志社大学大学院生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンターによると、 αリポ酸はAGEsのわずかながら生成抑制作用を示した、と発表していてます。

一方、糖尿病に対するαリポ酸の効果の多くは、 静脈注射によるもので、経口摂取による効果・研究は不足しています。

ルチン

アリゾナ大学がんセンターの研究「ルチン及びその代謝物によるコラーゲンの糖化最終生成物形成の阻害」によると、 野菜や果実に含まれるルチンは、 AGEs(糖化最終生成物)の形成を調整し、 ルチン消費が有益な健康効果に貢献している、と発表しています。

また、サウスダコタ州立大の研究「ルチンの代謝物・・・(以下略)」でも、 ルチンはアミノグアニジンなどの糖化を阻害し、 食事のフラボノイド(この場合はルチン)は、 有効なAGE阻害剤となり得ることを示唆しており、 野菜と果物が豊富な食事は、 高齢化や糖尿病の合併症が生じるプロセスを防止することに貢献する、 と発表しています。

この野菜や果物を多く摂取する食事療法のひとつは地中海式ダイエットと呼ばれ、 2013年ユネスコの無形文化遺産に登録されています。

地中海式ダイエットの詳しいやり方は地中海式ダイエットの方法 をご参照下さい。


トップへ
関連記事
メニュー 一覧

TOPページ
このエントリーをはてなブックマークに追加