口臭の原因~なぜ日本人は口臭が強いのか~

口臭の原因~なぜ日本人は口臭が強いのか~
口臭の原因は、日本で販売されている「歯磨き粉」が海外と異なるためです。

外国人から指摘される日本人の特徴のひとつに、 「日本人は口臭がきつい」、「マウスエチケットが醜い」などが挙げられますが、 海外の専門家は、この日本人の口臭の根本的な原因として、 「歯磨き粉に含まれる成分の違い」を指摘しています。

この指摘を最もよく表している事例が、 海外からの移住者が、日本に住むようになった途端、 口臭に悩まされることです。

そのため、多くの海外サイトが日本に旅行に行く人や、 日本に住む予定の人への警告・注意点として、 「歯磨き粉の持参」を挙げています。

ここでは、口臭の原因である「日本の歯磨き粉」と「海外の歯磨き粉」の違い、 口臭対策について、紹介しています。


口臭の原因は日本で販売されている歯磨き粉にあり

口臭の原因は、日本で販売されている歯磨き粉の多くに、 海外で最も一般的な口臭・虫歯予防の有効成分である「フッ素」が入っていないためです。

フッ素はWHO(世界保健機構)をはじめ、 国際歯科連盟(FDI:World Dental Federation)、日本歯科医師会など多くの団体が推奨し、 アメリカ、EU、その他多くのアジアの国々でも市販されています。

しかし、日本で「フッ素」入り歯磨き粉が浸透しない理由は、 日本の薬事法が原因です。

厚生労働省は、化粧品扱いの歯磨き粉にフッ素の混入を認めていないため(医薬部外品としては認めている)、 フッ素入り歯磨き粉の販売数が極端に少なく、 多くの人が知らず知らずフッ素の入っていない歯磨き粉を購入してしまいます。

その結果、日本の虫歯率、口臭率は諸外国と比較すると非常に多く、 「日本人は口臭がきつい」と指摘されています。

フッ素入り歯磨き粉による虫歯・口臭効果

WHO(世界保健機構)によると、 20世紀以降に行われた膨大な研究結果から、 「フッ素入り歯磨き粉は、歯科の有病率と発生率を低下させる」と発表し、 フッ素入り歯磨き粉の有効性を唱えています。

ジャマイカの例

ジャマイカでは、1987年に塩(食塩)にフッ素を混入するようにしたところ、 8年後の1995年の口腔衛生の全国調査において、 すべての年齢において、虫歯と歯周病の発生率の著しい減少が確認されました。
フッ素による虫歯・歯周病の減少率
6歳 87%
12歳 84%
15歳 68%


参考:
※1:2001年 WHO「塩のフッ素化とジャマイカの虫歯」

フッ素入り歯磨き粉 市販品

フッ素入り歯磨き粉は、日本では販売点数は少ないものの、 いくつか販売されています。

口臭を更に少なくするには

フッ素入り歯磨き粉を使うだけでも、口臭は著しく減少しますが、 より口臭を少なくするには、「塩化セチルピリジニウム」が入った洗浄剤が有効です。

国際歯科連盟が発表している内容によると、 フッ素入り歯磨き粉だけでも口臭を減らすのに有意な効果があるとするものの、 2015年に発表した無作為試験の研究では、 フッ素入り歯磨き粉のみの場合と、フッ素入り歯磨き後、 0.075%の塩化セチルピリジニウム入りの口内洗浄剤ですすいだ場合を比較すると、 両方とも有意な口臭の減少があったものの、 「塩化セチルピリジニウム」が入った洗浄剤はさらに49%、口臭が減少していました。

参考:
※1:2015年 国際歯科連盟「口臭の低減のための2口腔衛生レジメンの有効性:無作為化臨床試験」

フッ素と塩化セチルピリジニウム入り歯磨き粉



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