炭水化物抜きダイエットの副作用と解消方法
炭水化物抜きダイエットを行うと、 疲労、頭痛、口臭などの症状が出ることがあります。これら症状のほとんどは一時的であるものの、 人によっては重症になるケースもあり、 低炭水化物ダイエットを続けることを難しくしてしまいます。
ここでは、炭水化物抜きダイエットによる副作用とその解消方法について、 紹介しています。
炭水化物の不足を肉類によって補う、 あるいは、肉類の過剰摂取による副作用については、 炭水化物抜きダイエットのリスク・副作用をご参照下さい。
一般的な低炭水化物の副作用
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便秘・下痢
そのため、炭水化物を減らすことは、 便通を良くする食物繊維の不足につながります。
低炭水化物ダイエットの本質は糖質を制限することであり、 厚生労働省も「食物繊維の摂取量と心筋梗塞のリスク(発症率又は死亡率)に関して、 ほぼ直線的に負の関連が示されている研究がある。」と発表しているため、 低炭水化物ダイエット中でも、 食物繊維は摂取した方が良いかもしれません。
一方、下痢は便秘と比較するとあまり一般的ではないものの、 以下が原因と推測されています。
- 脂肪分の摂取量の増加
- 乳製品の摂取量増加による乳糖不耐症
また、乳糖不耐症は、 乳製品に含まれるラクトースを分解する酵素が欠如している疾患のため、 乳製品の摂取を控えることで解消できます。
口臭
低炭水化物による口臭は、ケトンが原因です。炭水化物は身体の主要なエネルギー源ですが、 炭水化物が不足すると、 このエネルギーを得ることができないため、 脂質やたんぱく質を利用し、エネルギーを作り出します(ケトン)。
このケトンが血中に異常に放出されると、 臭い息や臭い汗(体臭)になることがあります。
この口臭は、 口内あるいは胃の問題ではないため、 歯磨きマウスウォッシュの効果は薄くなっています。
完全な治療には炭水化物(糖質)の摂取が必要ですが、 ケトン濃度を希薄化する他の方法として、 水分を多く摂取したり、 シュガーレスガムを食べるほか、 パセリなどが効果があります。
疲労、易疲労感
疲労、易疲労感は低炭水化物ダイエットの最も一般的な症状です。この原因はストレス、低血糖、カロリーの不足、直接のエネルギーとなる糖質の不足、 セロトニンの減少、高カリウム血症、ケトーシスの副作用などと考えられています。
低炭水化物ダイットによって、 インスリンの分泌が低下すると、 カリウムが骨格筋や肝細胞に取り込まれず、 血症カリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こしてしまいます。
そのため、疲労だけでなく、 低炭水化物の副作用を抑える方法として塩水が有益とされています。
その他、疲労感の解消には、ビタミンBの摂取も効果的です。
また、脂肪分の摂取量を多くすることも疲労感の解消に効果が高いとされているものの、 脂肪分の摂取量を増やすことは、他の疾患のリスクを高めることになるため、 注意が必要です。
頻尿
低炭水化物ダイエットが頻尿に繋がるのは、 糖新生によってエネルギーを作り出す時に、 大量の水分が放出されるためです。この症状がひどいと、 脱水症状を起こす場合もあるため、 低炭水化物ではこまめな水分補給が必要です。
頭痛
頭痛の原因も、幾つかの説があります。- ケトーシスの副作用
- 低血糖症
- 頻尿による脱水
- 特定の栄養素(ミネラル)の不足
- ホルモン
脱毛
脱毛はそれほど頻度は高くないものの、 低炭水化物ダイエットの初期症状として、 脱毛を報告する人が少なからずいます。この脱毛は、「休止期脱毛」と呼ばれ、 食事の変更、ダイエット、薬、ストレスなどを原因とするものの、 一般的には非常に一時的です。
そのため、何か対策をすることなく単に経過を見るだけのことが多いものの、 心配な場合は栄養の不足を補うため、 ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸の摂取が効果的と考えられています。