タウリンの効果(糖尿病)

糖尿病を患う人において、 「体内のタウリン濃度が健康な人よりも低い」(※1、※2)という事実があります。

そのため、甘いものをよく食べる人、 太りがちな人、 糖尿病とその合併症に悩む人にとって、 タウリンが効果的です。

ここでは、タウリンの糖尿病に対する効果について、 紹介しています。

参考:
※1:イタリア サッサリ大学「インスリン依存性糖尿病を有する被験体において、血漿および血小板タウリンは低減されている」
※2:イタリア「タウリンと浸透圧調節:2型糖尿病患者における血小板タウリンの含有量、取り込み、リリース」


1型糖尿病の予防

タウリンは1型糖尿病を予防します。

1型糖尿病モデルとして利用されるアロキサン糖尿病ウサギに、 3週間、1%濃度のタウリンドリンクを与えたところ、以下の様な効果がありました。

タウリンの1型糖尿病に対する効果
  • 血清グルコース(糖分)レベルが30%低下した
  • 腎臓での糖新生が正常化した(タウリンの血糖低下効果による)
  • 腎臓においてろ過機能が向上した(クレアチニン濃度の減少)
  • 血清中の活性酸素の蓄積を防止(タウリンの抗酸化作用による)
  • など

またこれらの結果より、 「タウリンは糖尿病および糖尿病性腎症の両方の治療に有益であると思われる。」と発表しています。

参考:
※1:ポーランド ワルシャワ大学「アロキサン糖尿病ウサギにおけるタウリンの血糖降下、抗酸化、神経保護効果」

糖尿病による死亡率の減少

糖尿病による死亡率は日本全国で年々低下しているものの、 厚生労働省の発表では、人口10万人に4.4人(女)~7.8(男)人が糖尿病が原因で死亡しています。

ローマで行われた研究(※1)によると、 タウリンが糖尿病における死亡率の減少に効果がありました。

この研究では、 STZ誘発糖尿病ラットにおいて、 タウリン、ビタミンE、セレンの補給と死亡率の関係を調べたところ、 ビタミンEでは変化がなかったものの、 タウリンは死亡率と血糖値を大幅に低下させました。

その結果、 「古典的な血糖降下薬は糖尿病患者の死亡率を減少させることができないため、 タウリンのさらなる研究が望まれる」と発表しています。

参考:
※1:ローマ カトリック大学「長期タウリン補給は、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットの死亡率を減少させる」

インスリン抵抗性の改善

インスリン抵抗性は、糖尿病患者だけでなく、 太りがちな人、血圧の高い人、中性脂肪が多い人など、 様々な人に影響しています。

タウリンはこのインスリン抵抗性を改善する効果があります。

インドで行われたラットを使った研究(※1)によると、 タウリンはインスリン抵抗性を改善し、 血糖値を大幅に低下させました。

これは、「タウリンの摂取により、 グルコース(ブドウ糖)の処理能力が改善したことによる効果である」 と発表しています。

参考:
※1:アンナマライ大学「タウリンは、インスリン抵抗性ラットにおいて、カリクレイン活性およびグルコース代謝を調節する」

糖化を抑制する

紫外線、酸化、乾燥と並んで、 肌の老化を促進する原因が「糖化」です。

糖化はくすみや黄ばみ、 皮膚硬化(肌の弾力の低下、コラーゲンの硬化)、 しわ・たるみ、新陳代謝の低下、シミなど、 肌の老化をはじめ様々な病気の原因と考えられています。
糖化に関しては、糖化が肌の老化の原因をご参照下さい。

タウリンはこの糖化を抑制する働きがあります。

同じインドで行われた研究(※1)によると、 糖分を多く含んだ食餌を与えたラットに、 タウリンも提供したところ、 糖化にかかわるグルコース、糖化たんぱく質、糖化ヘモグロビンなどが大幅に低下させ、 糖化とAGEsの蓄積を防ぎました。

これらの結果より、 「タウリンは糖尿病の予防の治療サプリメントとして、 潜在的な可能性がある」と発表しています。

参考:
※1:アンナマライ大学「タウリンによるグルコース利用の刺激とタンパク質の糖化、AGEs(たんぱく糖化最終生成物)の阻害」

その他

糖尿病は目が見えなくなったり(糖尿病性網膜症)、腎臓が悪くなったり(糖尿病性腎症)、 末梢神経の病気(糖尿病性神経障害)などの3大合併症をはじめ、 多くの合併症を有する疾患ですが、タウリンはこれら糖尿病の合併症にも効果があります。

これら糖尿病の合併症のうち、 糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症(※1)、糖尿病性心筋症(※2)などに効果があることがいくつかの研究で明らかにされています。

参考:
※1:テキサス工科大学「インスリン依存性糖尿病(IDDM)性心筋症の病因におけるタウリンの役割」
※2:中国「食餌によるタウリン補充は、SDラットにおけるグルタミン酸の抗興奮毒性を介して糖尿病性網膜症を改善する」
※3:アズハル大学「糖尿病におけるタウリンの保護および治療効果:抗酸化サプリメントの理論的根拠」





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