脂肪肝をタウリンで治療・改善

脂肪肝の治療、改善にタウリンが効果があります。

このタウリンによる脂肪肝の治療効果は、 アルコールによる脂肪肝だけでなく、 非アルコール性脂肪肝(NAFLD)にも効果があることが 様々な研究から明らかにされています。

また、脂肪肝は非アルコール性脂肪肝であっても、 症状が進むと、脂肪性肝炎、線維症、肝硬変へと遷移することケースもあり、 タウリンは肝臓の健康を向上させる有益な手段です。

ただし、タウリンは体重そのものや、 体脂肪の減少に役立つかどうかについては、 疑問符がつけられることが多くなっています。



脂肪肝に対するタウリンの効果

肥満による脂肪肝

タウリンは肥満を原因とする脂肪肝に対して、 効果があることが認められています。

越谷市立病院などで行われた研究(※1)によると、 単純性肥満による脂肪肝の子供10人にタウリンを投与したところ、 以下の様な改善が見られました。

肥満による脂肪肝に対するタウリンの効果
  • 最初は低かった肝臓でのCT値(脂肪肝ではCT値が低く、50HU以下は脂肪肝とされる)が増加
  • 血清ALT(GPT)レベルが改善(脂肪肝を含め、肝臓障害がある場合に数値が高い)
  • グリシン/タウリン抱合胆汁酸の割合が減少

これら結果より、 「タウリンは体重管理の成功/失敗の有無にかかわらず、肥満による脂肪肝の改善に効果があった」としています。

参考:
※1:越谷市立病院「単純性肥満児の脂肪肝に対するタウリンの効果」

食事による非アルコール性脂肪性肝炎を予防

肥満やメタボは、 非アルコール性脂肪性肝炎をもたらします。

この原因の一つがスクロース(砂糖)と(肉類)による小胞体(ER)の機能不全です。

そしてこの非アルコール性脂肪肝が進むと、 一定の割合で、 肝硬変や肝線維化につながることが指摘されています。

アメリカで行われた研究(※1)によると、 タウリンがこれら食事による非アルコール性脂肪性肝炎を予防する効果がありました。

この研究では、タウリンは 高ショトウ(砂糖)含有の食餌によってもたらされたラットの肝臓において、 以下の様な症状を改善しました。

高ショトウ(砂糖)含有食に対するタウリンの効果
  • 肝臓の脂質蓄積の改善
  • 細胞死の改善
  • 酸化ストレスの改善
  • 肝障害、炎症の改善
  • 血漿トリグリセリド(中性脂肪)の改善
  • インスリンレベルの改善
  • 小胞体ストレス応答の改善

その結果より、 「タウリンの食事補給は、非アルコール性脂肪性肝炎 の予防的治療として、大きな可能性を提供しているを示している」と発表しています。

参考:
※1:コロラド州立大学「非アルコール性脂肪性肝疾患の治療におけるタウリンの治療可能性のための実験的証拠」

タウリンで肥満解消は難しい

タウリンは脂肪肝には効果があるものの、 体重の減少や体脂肪の減少に対する効果はいささか懐疑的です。

肥満の人ほど、血中のタウリン濃度が低い傾向があり、 タウリンの補給が肥満患者にどのような影響を与えるのか、 という研究が進められた結果、 タウリンによる肥満防止効果は、 特に「高脂肪食」に有益だとする研究や 総コレステロール、トリグリセリドなど肥満に関連する症状を治療する効果があるものの、 体重そのものの減少という点では、 タウリンは大きな成果を上げていません。

タウリンが高脂肪食に効果あり

東京で行われた血中のタウリン濃度と肥満を調査した研究(※1)によると、 肥満度が高いほど、 血中タウリンの濃度が減少していました。

これら患者に対して、 タウリンの補給は、 高脂肪食によって誘発される肥満を防止し、 安静時のエネルギー消費が増加した、と発表しています。

参考:
※1:2006年「タウリンの欠乏は肥満を促進する悪循環を引き起こす」

体重そのものの減少には効果が薄い

肥満治療におけるタウリンのサプリメントの効果を検証した研究(※1)によると、 肥満患者では血漿中のタウリン濃度が有意に減少(41%)していました。

これら肥満患者のうち、 タウリン摂取グループは、 血漿タウリンが大幅に増加(97%)し、 またインスリン受容体を介さない糖取り込み促進作用のあるアディポネクチンも増加(12%)し、 その他炎症マーカー(29%)、脂質過酸化マーカー(20%)の改善などの効果はあったものの、 体重そのものに関しては、タウリンを摂取していないグループと比較して、 有意な差異はありませんでした。

参考:
※1:2013年「肥満患者におけるタウリン補充後の酸化ストレスと炎症:二重盲検、プラセボ対照試験」






トップへ
関連記事
メニュー 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加