タウリンの効果(動脈硬化・コレステロール)

タウリンは、動脈硬化や心臓・血管系障害に効果があります。

タウリンは人間をはじめ哺乳類の心臓に多く存在する成分で、 タウリンが医療用医薬品として販売される場合、 その効能の一つが「循環機能改善」あるいは「心機能の改善」とされています。

ただし、タウリンの動脈硬化に対する効果は、 コレステロールの低下によるものか、そうでないか、 双方の研究結果が存在し、どちらが正しいのか、未だ解決していません。


タウリンによる動脈硬化の予防:コレステロールに影響なし①

タウリンは高脂血症における動脈硬化の進行を遅らせる効果があります。

しかし、 タウリンは、 血圧や血清コレステロールにはほとんど影響を与えず、 動脈硬化を防止します。

タウリンと動脈硬化予防
  • タウリンは動脈硬化の進行を遅らせる
  • この効果はコレステロール値とは無関係
  • タウリンは抗酸化作用により、動脈硬化を予防する

大正製薬が行った研究(※1、※2)によると、 タウリンの投与により、 脂質過酸化反応(TBARS)は、血清で29%、大動脈で50%減少しました。

これら結果より、 タウリンは、血清コレステロールとは無関係に、 また、抗酸化作用により、アテローム性動脈硬化症の発症を防止する、としています。

参考:
※1:大正製薬「タウリンとアテローム性動脈硬化」
※2:大正製薬「タウリンは渡辺遺伝性高脂血症(WHHL)ウサギにおいて、アテローム性動脈硬化症の発症を抑制する」

タウリンによる動脈硬化の予防:コレステロールに影響なし②

フランスで行われた研究(※1)によると、 14週間、2%のコレステロール食と タウリン入り飲料水をウサギに与えたところ、 血管内でのアテロームの面積が、 タウリンを与えていないグループと比較して、 14~20%低下していました(0.2%濃度と0.5%濃度、高いほど効果あり)。

タウリンと動脈硬化予防
  • タウリンは動脈硬化の面積を14~20%低下させる
  • この効果はコレステロール、カルシウム、トリグリセリド、リン脂質濃度とは無関係
  • タウリンは抗酸化作用により、動脈硬化を予防する

これら結果より、 「タウリンは、その抗酸化活性に関与するメカニズムを介して、 アテローム性動脈硬化症の発症を低減する可能性がある」としています。

参考:
※1:フランス メレルダウ研究所「コレステロール食ウサギにおけるアテローム性動脈硬化症の発達に対するタウリンの効果」

タウリンによる動脈硬化の予防:コレステロールに影響あり

2002年トルコで行われた研究(※1)によると、 2か月間ウサギに高コレステロール食を与えたところ、 タウリンは、アテローム性動脈硬化への効果以外に、 コレステロールとトリグリセリドを低下させました。

また、2.5%濃度のタウリンでは、 血漿、肝臓および大動脈での酸化ストレスを有意に減少させました。

その結果、 「タウリンは酸化ストレス コレステロールの蓄積を改善し、 この効果はタウリンの抗酸化能だけでなく、 血清脂質に対する低減効果に関連している可能性がある」としています。

参考:
※1:トルコ イスタンブール大学「高コレステロール食を与えられたウサギの血漿、肝臓、大動脈中の酸化ストレスと脂質レベルに対する栄養タウリン補給の改善効果」

タウリンと動脈硬化

タウリンが多くの研究において、動脈硬化の治療や予防に効果があるとされています。

しかし、そのメカニズムは、 コレステロールの低下によるものか、 コレステロールの低下とは無関係なのか(抗酸化作用によるものか)は不明です。

そのため、動脈硬化の予防という点では、 タウリンは効果があるものの、 コレステロールの低下を期待する場合、 タウリンは効果がない可能性があります。





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