タウリンの効果・効能

タウリンは心臓、肝臓機能の改善をはじめ、 脳の活性、体力増強などの効果が認められている栄養素です。

栄養ドリンクなどの有効成分として含有されるほか、 タコやイカなどの魚介類にも多く含まれています。

人においては、 心臓や網膜に多く含まれ、 心臓血管機能、骨格筋、網膜、中枢神経系の機能に必須の栄養素です。

ここでは、タウリンの効果・効能と、 1日摂取量、多く含まれる食品、副作用などについて、 紹介しています。


タウリンの効果・効能一覧

タウリンの効果・効能一覧
■脳
  • 不安を解消する
  • 記憶力の強化(ただし、老化を原因とする)
■体力増強
  • 運動能力を強化
  • 筋肉の強化
■抗酸化
  • 抗酸化
■肝臓(別ページ)
  • 肝臓の保護
  • 肝臓疾患の予防
  • アルコール性肝疾患の予防・回復
  • アルコール依存症の予防
■脂肪肝、肥満(別ページ)
  • 脂肪肝の改善
■糖尿病(別ページ)
  • 1型糖尿病の予防
  • 糖尿病による死亡率の減少
  • インスリン抵抗性の改善
  • 糖化を抑制する
  • 糖尿病による合併症の予防・改善
■血圧の低下(別ページ)
  • 血圧の低下(ただし、限られた場合のみ)
■動脈硬化・コレステロール低下(別ページ)
  • 動脈硬化の予防
■目の保護(別ページ)
  • 網膜の保護(酸化ストレス、グルコース、薬物など)
  • 加齢性黄斑変性症
  • 加齢による目の症状(かすみ、渇き、疲れなど)
  • 白内障、角膜の損傷などからの保護
■その他
  • てんかん
  • 耳鳴り
  • 心機能の改善

不安を解消する

タウリンには、不安を抑制し、緊張を解消する効果があります。

中国で行われたラットを使った研究(※1、※2)によると、 タウリンによる抗不安の効果が確認されています。

このタウリンによる抗不安効果のメカニズムは、 タウリンがグリシン受容体(GABAなどに代表される興奮を抑制する物質)として作用していることによる(※3)と考えられています。

参考:
※1:中国 瀋陽製薬大学「ラットの高架迷路におけるタウリンの抗不安効果の可能性」
※2:中国 瀋陽製薬大学「3不安モデルのラットの行動におけるタウリンの効果」
※3:2007年「タウリンはin vivoにおいて、ストリキニーネ感受性グリシン受容体を活性化することにより、抗不安を誘導する」

記憶力の強化(ただし、老化による)

タウリンは老化による記憶力や認知機能の低下を改善します。

老化による記憶力低下の原因の一つがリラックス効果のある神経伝達物質(抑制性神経伝達物質)の減少ですが、 タウリンはこの抑制性神経伝達物質の減少を抑える、あるいは、増やすことができます。(※1、※2)

また、タウリンは神経新生を増加させ脳を活発にするほか、 老人や自閉症の脳に多く存在するミクログリア細胞の数を減らす効果があります。(※3)

参考:
※1:2008年 アメリカ「タウリンは、老齢マウスでの学習能力と記憶力を向上させる」
※2:ニューヨーク市立大学「興奮性と抑制性神経伝達のモジュレーターとしてタウリン」
※3:2015年「タウリンは老化マウスの海馬の神経新生を増加させる」

体力増強

運動能力を強化する

タウリンは運動能力を高める効果があります。

富山医科薬科大学で行われたタウリンと運動能力の強化にかかわる研究では、 以下の様な結果が得られました。

タウリンによる運動能力の強化(※1)
  • 最大酸素摂取量が増加
  • 運動時間が増加
  • 最大ワークロード(強度)が増加

ただし、タウリンによる運動能力の強化に関わるメカニズムは明らかになっていません。

「タウリンの細胞保護特性により、運動誘発性DNA損傷を減衰させる」(※1)や 「タウリンと筋肉膜との相互作用によるもの」(※2)など、 いくつかの説があります。

参考:
※1:富山医科薬科大学「健康な若い男性における運動誘発性酸化ストレスを防止するためのタウリンの役割」
※2:イギリス スターリング大学「訓練された中距離ランナーにおける3kmの走行性能上の急性タウリン摂取の効果」

筋肉の強化

タウリンは筋肉の強化に効果があります。

この効果は、 「タウリン補給により筋肉内のタウリン濃度が上昇し、 骨格筋において、力を増加させる」ためです。(※1)

また、タウリンは単に筋肉を強化するだけでなく、 回復期間中の筋肉の機能を保護し、 高頻度刺激付与時の酸化ストレスを減少させる効果もあります。(※1)

その他、タウリンだけではないものの、いくつかのサプリメントの組み合わせ(分枝鎖アミノ酸、 クレアチン、タウリン、カフェイン、グルクロノラクトン)により、 筋力の強化だけでなく、成長ホルモンとインスリン濃度の上昇も認められています。(※2)

参考:
※1:オーストラリア ビクトリア大学「タウリン供給は、骨格筋の力の生成を増加させ、 インビトロでの高周波刺激中、刺激後において、筋肉の機能を保護する」
※2:アメリカ ニュージャージー大学「抵抗運動に対する急性ホルモン応答の運動前のエネルギーサプリメントの効果」

抗酸化

タウリンはエタノール(アルコール)によって引き起こされるフリーラジカルから、 細胞を守る働きなどに代表されるように、 抗酸化作用があります。

具体的には、タウリンは 脂質過酸化の過程を弱毒化し、 抗酸化作用のある物質(SOD、カタラーゼ、GPx、GSH、アスコルビン酸、α-トコフェロールなど)のレベルを復元させます。 (※1、※2、※4)

また、抗酸化作用を復元するだけでなく、 タウリンは活性酸素種を捕捉する能力(※3)も認められています。
これら、 タウリン特有の抗酸化効果は 糖尿病の合併症、精巣保護、脂質の過酸化、肝臓保護、腎臓保護などの作用を有します。

参考:
※1:サウスアラバマ大学「タウリンの抗酸化活性の根底にあるメカニズム:ミトコンドリアオキシダントの生成を防止」
※2:「アロキサン糖尿病ウサギにおけるタウリンの低血糖、抗酸化および神経保護効果」
※3:イタリア ローマ「タウリンとエラグ酸:2の天然の抗酸化剤を異なる作用」
※4:「ラットにおけるイソプレナリン誘発性心筋梗塞における心筋抗酸化状態に対するタウリンの保護効果」





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