セサミンに寿命の増加効果あり?

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セサミンに寿命の増加に繋がる可能性が指摘されています。

セサミンと寿命の増加の関係については、 いまだ動物実験の域を出ないものの、 虫を使った実験では、寿命の増加が複数確認されています。

一方、 より人間に近い動物(マウス)を使った実験では、 残念ながらセサミンの寿命増加効果は疑わしい可能性も指摘されています。

ここでは、セサミンと寿命の増加について、紹介しています。


寿命の増加①(ショウジョウバエ)

セサミンが寿命の増加に効果がある可能性があります。

香港で行われた研究(※1)によると、 黄色ショウジョウバエの食事に0.2%のセサミンを混ぜ与えたところ、 活性酸素を分解する酵素を増やすことで、 平均12%、ショウジョウバエの寿命を延ばしました。

参考:
※1:2013年「セサミンは、ショウジョウバエの平均寿命を延ばす」

寿命の増加(マウス)②

カリフォルニア大学で行われた研究(※1)によると、 ショウジョウバエや線虫に対して、 寿命増加の効果があった植物性の栄養素に着目し、 マウスを使って寿命増加効果があるかを調べました。

対象となった栄養素は、セサミンを含め、 以下の栄養素が選択されました。
  • ブルーベリー
  • ザクロ
  • 緑茶
  • 黒茶
  • シナモン
  • ゴマ(セサミン)
  • フランス海岸松樹皮(ピクノジェノールとタキシフォリン)
  • クルクミン
  • モリン
  • ケルセチン
生後12ヶ月のマウスにこれら栄養素を与えたところ、 残念ながら有意な寿命の増加効果はありませんでした。

また、寿命の増加効果が動物実験でも多数確認されているカロリー制限マウス(40%カロリー制限)で同時検証を行ったところ、 このグループでは寿命の増加効果が認められました。

その結果、 「これら栄養素による寿命増加の効果は、 これら栄養素によって誘導されたカロリー制限に起因している可能性がある。」と指摘しています。

しかし、 「果物や野菜の消費と健康に関わる内容(抗酸化、抗炎症など)は潜在的な長寿の可能性であり、 この実験はそのことを否定するものでもない」とも述べており、 これら栄養素が長寿につながるのかは、いまだ明確な結論が出ていません。

カロリー制限と寿命については、 低体温症の意味をご参照下さい。

参考:
※1:2013年「類似カロリー食物を与えられた長寿命F1ハイブリッドマウスに対する影響:ブルーベリー、 シナモン、緑と黒茶、ザクロ、ゴマなど(後略)」

寿命の増加③(線虫)

また、2014年に大阪市立大学で行われた研究(※1)によると、 セサミンはカロリー制限なく、 線虫の宿主防御と平均寿命を増加させた、と発表しています。

この寿命増加効果は、 「セサミンのダイエット効果によるものではなく、 レジオネラ属菌や酸化的ストレス因子に対する耐性の強化によるもの」と発表しています。

参考:
※1:大阪市立大学「線虫の寿命と宿主防御におけるセサミンの経口摂取の影響」

セサミンは寿命の増加に効果があるのか?

セサミンが寿命の増加に効果があるかどうかはいまだ明確な結論は出ていません。

現在わかっていることは以下の通りです。

セサミンと長寿の関係
  • 虫(ショウジョウバエや線虫)を使った実験では、長寿効果が確認されている
  • これら効果はカロリー制限によるものではなく、他の作用(活性酸素を分解する酵素の増加と酸化的損傷からの保護)によるものである
  • 動物実験においては、長寿効果は確認できなかった
  • 野菜や果物の消費は長寿につながる






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