セサミンの効果(酸化防止)
セサミンには、体内の酸化を防止する効果、 他の栄養素(DHA、ビタミンEなど)の酸化を防止する効果、 肝臓や膵臓を酸化による損傷から守る効果など、 様々な酸化防止効果が確認されています。ここでは、 セサミンの酸化防止効果について、 紹介しています。
DHAの酸化防止
魚の油に含まるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、 集中力や血流を良くするなどの効果があるものの、 酸化しやすいことが特徴です。椙山女学園大学で行われたラットを使った研究(※1)によると、 セサミンはこれら物質の酸化を防ぐ効果がありました。
実験で利用されたα-トコフェロール、DHA、セサミンの組合せ
- 低α-トコフェロールのみ
- 低α-トコフェロール + 0.2%セサミン
- 低α-トコフェロール + 0.5%DHA
- 低α-トコフェロール + 0.5%DHA + 0.2%セサミン
また、α-トコフェロール、DHAの濃度も、 セサミンの摂取により回復、増加しました。
これらの結果より、 「セサミンはα-トコフェロールやDHAといった栄養素の酸化を防ぎ、 体内濃度を回復する働きがある」としています。
参考:
※1:2000年「高DHA食を与えたラットにおいて、セサミンとα-トコフェロールは相乗的に脂質過酸化を抑制する」
※1:2000年「高DHA食を与えたラットにおいて、セサミンとα-トコフェロールは相乗的に脂質過酸化を抑制する」
脂質の過酸化の防止
セサミンは、 抗酸化作用のあるα-トコフェロール濃度を上昇させることにより、 ラットの肝臓において、 脂質の過酸化反応を低下させる作用があります。同じく椙山女学園大学が行った研究(※1)によると、 ラットを以下の6つのグループに分け、5週間調査したところ、 DHAはTBARSの濃度(脂質過酸化を測定するマーカー)を上昇させたものの、 セサミンとセサミノールはTBARSの濃度を低下させ、 赤血球の破壊を防ぎました。
- 基礎飼料
- セサミンを与えたグループ
- セサミノールを与えたグループ
- DHAを与えたグループ
- DHAとセサミンを与えたグループ
- DHAとセサミノールを与えたグループ
これら結果より、 「セサミン、セサミノールは、 α-トコフェロールの濃度を上昇させ、脂質過酸化を減少させる効果がある」と発表しています。
参考:
※1:2003年「DHAを与えられたラットにおいて、ゴマリグナン(セサミン、セサミノール)は脂質過酸化を減少させる」
※1:2003年「DHAを与えられたラットにおいて、ゴマリグナン(セサミン、セサミノール)は脂質過酸化を減少させる」
肝臓の保護
肝臓は、体に必要な代謝を行う臓器の中心です。そのため、酵素の利用により 活性酸素が非常に多く発生し、 非常に傷つきやすい臓器である、という特徴を持っています。
セサミンは肝臓における酸化的損傷に対して、 保護効果を有することは以前より知られていましたが、 サントリーが行った研究(※1)によると、セサミンの代謝物が、 肝臓での酸化的損傷に対して、保護効果を担当していることが分かりました。
参考:
※1:2003年「セサミンを摂取したラットの肝臓における新規抗酸化代謝物」
※1:2003年「セサミンを摂取したラットの肝臓における新規抗酸化代謝物」
活性酸素を分解する酵素の増加
セサミンは直接、活性酸素(スーパーオキシドラジカル)を隔離する効果があります。カナダで行われた研究(※1)によると、 セサミンが活性酸素を分解する酵素であるSODを増加させた、と発表しています。
その結果、 「ゴマリグナン セサミンは、 強力な神経保護酸化防止剤、および、抗炎症剤として、明確な役割がある。」と発表しています。
参考:
※1:2008年「セサミンはMPP+誘発性酸化ストレス化にあるドーパミン作動性細胞において、チロシンヒドロキシラーゼ、 スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、誘導型NO合成酵素、インターロイキン6の発現を調整する」
※1:2008年「セサミンはMPP+誘発性酸化ストレス化にあるドーパミン作動性細胞において、チロシンヒドロキシラーゼ、 スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、誘導型NO合成酵素、インターロイキン6の発現を調整する」