クルクミンの効果

クルクミンの効果
クルクミンはウコンに含まれる成分の1つです。

ウコンはもともと料理のスパイスとしてだけでなく、 インドのアーユルヴェーダや中国の漢方薬として、 古くから利用されてきました。

1815年、ウコンからクルクミンの成分のみを抽出できるようになった結果、 ウコンの有効成分の1つ「クルクミン」として別途研究、利用されるようになり、 肝臓保護回復をはじめ、男性ホルモン(テストステロン)の保護、 ガン予防、脳・アルツハイマー病などに効果があることがわかってきました。


クルクミンの効果一覧

クルクミンの効果一覧
  • 肝臓保護、回復
  • 男性ホルモン(テストステロン)
  • 女性ホルモン(エストロゲン)
  • 寿命の増加(※可能性)
  • 糖尿病
  • 抗酸化(※活性酸素の発生増加に繋がる可能性あり)
  • 脳・アルツハイマー病
  • 動脈硬化、コレステロール
  • 血流促進
  • 心臓
  • ガン予防(※ガンの発生に繋がる可能性あり)
  • 脂肪と肥満
  • その他(腎臓の保護、大腸保護、関節炎の炎症の軽減)

肝臓保護、回復

クルクミンは肝臓を保護し、 肝臓に関わる様々な疾患を予防、回復します。

クルクミンによる肝臓保護、回復
  • アルコール性肝疾患(※1)
  • 肝硬変、肝線維症(※3、5)
  • 肝臓コレステロール値(※2)
  • 毒性物(※4、6、8、9、10、12)
  • 肝臓の温虚血/再灌流損傷(※7)
  • 肝臓の酸化的損傷(※11)

このクルクミンの肝臓保護効果は、 抗酸化作用だけでなく、 抗炎、抗真菌などの作用も関わっています。

ただし、アメリカ国家毒性プログラムは、副作用の根拠としては「あいまいである」とするものの、 男性における肝細胞腺腫の発生率がわずかに増加したケースもあるため、 多量摂取には注意が必要です。

詳しくは、クルクミンの副作用をご参照下さい。

参考:
※1:2003年 Nanji AA(ペンシルバニア大学医療センター)ら 「クルクミンは、NF-κB依存性遺伝子の発現を阻害することにより、ラットにおけるアルコール誘発性肝疾患を防ぐ」
※2:1970年 RAO DSら「ラットにおける血清および肝臓コレステロールレベルに対するクルクミンの効果」
※3:2008年 Yumei Fu(セントルイス大学)ら「クルクミンは酸化ストレスと抑止炎症を減衰させることによって四塩化炭素に起因する傷害と線維形成からラット肝臓を保護する」
※4:2000年 Park EJ(韓国 円光大学)ら「四塩化炭素により誘発されるラット肝障害におけるクルクミンの保護効果」
※5:2007年 イスラエル Bruck R(テル・アビブ・ソウラスキー・メディカル・センター )ら「クルクミンによるラットの肝硬変の予防」
※6:2008年 Farombi EOら「クルクミンはヘムオキシゲナーゼ1のNrf2媒介誘導を介して、ラットにおけるジメチルニトロソアミン誘発性肝障害を減衰させる」
※7:2007年 Shi-Qiang Shenら「ラットモデルにおける肝臓の暖かい虚血/再灌流傷害に対するクルクミンの保護効果は、熱ショックタンパク質および抗酸化酵素の調節に関連付けられている」
※8:2007年 Reyes-Gordillo Kら「クルクミンは、NF-κB、炎症性サイトカインの産生、酸化ストレスを阻害することにより、ラットにおける急性肝障害から保護する」
※9:1992年K.B. Soniら「ウコンとクルクミンによるアフラトキシン誘発性肝損傷の逆転」
※10:2009年 Rivera-Espinoza Yら「肝疾患または損傷におけるクルクミンの薬理作用」
※11:2006年 Qing-Yi Wei(中国 蘭州大学)「クルクミンおよびその類似体によるラット肝臓ミトコンドリアの脂質過酸化及びタンパク質酸化の阻害」
※12:2004年 Vladislav Eyblら「ラットおよびマウスの肝臓におけるカドミウムによって誘発される酸化的損傷および微量元素レベルに対するクルクミンの効果」

男性ホルモン(テストステロン)

男性ホルモン(テストステロン)
クルクミンが各種毒から精巣と男性ホルモンを保護する効果があります。

この各種毒には、アルコールをはじめテストステロンの減少を促す以下の薬が含まれています。

クルクミンによる男性ホルモン(テストステロン)保護効果
  • 抗寄生虫薬のメトロニダゾール(※1)
  • アルコール(※2、※3)
  • 土壌汚染物質 六価クロム(※4)
  • カドミウム(※5)
  • フタル酸ジ-n-ブチル(※6)

また、シカゴで行われた研究(※7)によると、 クルクミンがテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン、薄毛の原因とも考えられている)に変換することを阻害することで、 アンドロゲン依存性皮膚疾患の治療に役立つとする研究結果も存在します。

参考:
※1:2011年 イラン シラーズ大学「メトロニダゾール処置マウスにおけるクルクミンの改善効果:精子の尾の長さ、数、運動性、テストステロンの血清レベル」
※2:2008年 イタリア ピサ大学「クルクミンは慢性アルコール投与によって誘発される損傷からマウスのライディッヒ細胞を保護する」
※3:「ラットの精巣ミクロソームによるエタノールのアセトアルデヒドおよびフリーラジカルへの酸化」
※4:2007年 インド カルカッタ大学「男性生殖器系中において、クロムによって誘発される酸化的損傷に対するクルクミンの効果」
※5:2012年 トルコ Namik Kemal大学「ラット精巣におけるカドミウム誘導性アポトーシスに対するクルクミンの抗アポトーシス効果」
※6:2007年 ナイジェリア イバダン大学「クルクミンとkolavironはラットにおいて、フタル酸ジ-n-ブチル誘発性精巣損傷を改善する」
※7:2001年 シカゴ大学「カテキン、アリザリン、クルクミン、ミリスチン酸の局所適用によるハムスターの脇腹器官の成長抑制」

女性ホルモン(エストロゲン)

女性ホルモン(エストロゲン)
クルクミンは、大豆イソフラボンなどと同じく、 エストロゲン様作用(エストロゲンの様に働く)という性質を持っています。

しかし、それは人によって異なる意味を持っています。

これらエストロゲン様作用物質(植物性エストロゲンを含む)は、 体内で自然に分泌されるエストロゲンと競合し、かつ、生理活性が弱い(※1)ため、 「内分泌かく乱物質」あるいは「外因性内分泌かく乱物質」とも呼ばれるためです。

そのため、エストロゲンの分泌が低下している更年期以降では、 各種更年期障害の症状の緩和に効果があり、 また、エストロゲンの過剰分泌に依存する乳がんなどの予防にも効果があります。

しかし、それ以外の女性においては、 天然エストロゲンと競合するため、 エストロゲンの減少によって「月経不順」、「尿路症状」、「睡眠障害」などの症状が出ることがあるため、 過度の摂取は禁物です。

参考:
※1:2010年 ドイツ ルートヴィヒ・マクシミリアン大学「基準プロファイルの相関は、クルクミンのエストロゲン様転写活性を明らかにする」
※2:2010年 インド AIIMS(全インド医科大学)「クルクミンは、エストラジオールの増殖効果を打ち消し、子宮頸部癌細胞においてアポトーシスを誘導する」
※3:1997年 アメリカ タフツ大学「植物天然物クルクミンおよびゲニステインはエストロゲン様農薬によって誘発されるヒト乳癌MCF-7細胞の増殖において、相乗的な阻害効果を示す」
※4:1998年 アメリカ タフツ大学「クルクミンおよびイソフラボノイドによる農薬や環境化学物質のエストロゲン効果の阻害」 」
※5:2002年 中国 復旦大学医療センター「クルクミンはヒト乳癌細胞に対して複数の抑制効果を発揮する」

寿命の増加

クルクミンの寿命の増加のメカニズムは、 その抗酸化活性に加え、抗菌効果、オートファジー(生体の恒常性維持、ガンの抑制などに関与する)の活性化(※1、※2)によるものです。

しかし、クルクミンの寿命に対する効果は、 他の植物性栄養素と同様に、 線虫(※3)やショウジョウバエ(※4)の寿命を伸ばす効果は確認されているものの、 動物(マウス)(※5)での研究ではいまだ効果がでていません。

また、同じカロリーを摂取する場合、 肉類に代わって果物や野菜の消費の増加は、人間において寿命の増加が確認されているものの、 この食餌(食事)による長寿の効果もまだ確認されていません。(※6)

参考:
※1:2012年 ドイツ クリスティアン・アルブレヒト大学キール「オートファジー、ポリフェノールと健康高齢化」
※2:2011年 台湾 国立高雄海洋大学「クルクミンの主要な代謝物であるテトラヒドロクルクミンはヒト白血病HL-60細胞において、PI3K/Akt-mTORとMAPKシグナル伝達経路の協調調節を介して、オートファジー細胞死を誘導した」
※3:2011年 国立台湾大学「線虫におけるクルクミン媒介寿命延長」
※4:2010年 韓国 KRIBB「クルクミンはキイロショウジョウバエにおいて、寿命を延長し、健康スパンが向上させ、加齢に伴う老化遺伝子の発現を調節する」
※5:2013年 アメリカ GRECC「遺伝学的異質性マウスの寿命におけるレスベラトロール、緑茶エキス、クルクミン、オキサロ酢酸、中鎖トリグリセリド油の評価」
※6:2013年 アメリカ カリフォルニア大学「ブルーベリー、シナモン、緑と黒茶、ザクロ、ゴマ、クルクミン、モリン、ピクノジェノール、ケルセチン、タキシフォリンを等カロリー与えられたF1ハイブリッドマウスの長寿に及ぼす影響」

糖尿病

糖尿病
クルクミンが糖尿病に効果があります。

このクルクミンの糖尿病の効果は、 古くは古代インド(アーユルヴェーダ)や中国(中医学)において、 ウコンの効果が認められていたものの、 現在ではその主成分であるクルクミンが糖尿病に効果があることが分かっています(※1~12)。

このクルクミンの糖尿病に対するメカニズムは、 肥満や2型糖尿病の治療に有益であるAMPKを活性化させることによるもの(※1、※6、※7)のほか、 インスリン感受性を高めるメトホルミンの増加(※1)、 PIKfyveの改善(※2)などによるものと考えられています。

また、クルクミンは、インスリン抵抗性の改善、 血糖値の低下とともに、抗酸化作用を有することから、 糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症(※11)、糖尿病性腎症(※12)などにも効果があります。

参考:
※1:2009年 アメリカ オーバーン大学「クルクミンは肝癌細胞において、AMPKを活性化し、糖新生遺伝子の発現を抑制する」
※2:2002年 アメリカ ウェイン州立大学「急性および長期のインスリン細胞効果におけるPIKFYVE酵素活性のための要件」
※3:2005年 アメリカ ワイオミング大学「クルクミンは血小板由来増殖因子刺激血管平滑筋細胞の機能と損傷誘発性新生内膜形成を阻害する」
※4:1972年 Srinivasan M「糖尿病患者に見られる血糖に対するクルクミンの効果」
※5:2013年 中国 北京大学「クルクミンと糖尿病:系統的レビュー」
※6:2010年 韓国 ソウル大学「クルクミンは、L6筋管細胞におけるMAPK-のp38 MAPK経路を介してグルコース取り込みを刺激する」
※7:2010年 韓国 慶尚大学「筋肉細胞のグルコース代謝におけるクルクミンとインスリンの相乗効果」
※8:2008年 アメリカ コロンビア大学「食物クルクミンは糖尿肥満のマウスモデルにおいて、肥満に関連する炎症と糖尿病を大幅に改善する」
※9:2011年 オーストラリア クイーンズランド大学「炎症性樹状細胞にcurcusomesをターゲットにすることは肥満マウスにおいてNF-kBを阻害し、インスリン抵抗性を改善する」
※10:1995年 インド 中央食品技術研究所「アルビノラットで実験的に誘導された糖尿病の進行に対する食事のクルクミンとコレステロールの影響」
※11:2007年 アメリカ ウェイン州立大学「糖尿病における網膜の酸化ストレスと炎症に対するクルクミンの効果」
※12:1998年 インド 中央食品技術研究所「ストレプトゾトシン糖尿病ラットにおける食餌クルクミンによる糖尿病性腎症の改善」

抗酸化

抗酸化
クルクミンは 脂質の過酸化を阻止する能力が非常に高く、 脂の酸化による臭いや毒の発生を防止し、 食品の酸化防止剤としても機能しています(※1)。

カレーが長期にわたって腐敗せず食べられるのは、 このクルクミンによる酸敗(サンパイ)防止効果が一つの要因と考えらえれています。

また、活性酸素(スーパーオキシドラジカル)消去効果が認められており(※2、4)、 これは、クルクミンが非常に強力なH原子供与体として機能する(※3)などの効果によるものです。

ただし、クルクミンの用量に関しては、 用量依存的に抗酸化作用を示すとする結果(※1)と、 用量によらず抗酸化作用を示す結果(※5)の両方が確認されているほか、 高容量においては活性酸素の発生に繋がる負の影響を媒介する可能性も指摘されています。

詳しくは、クルクミンの副作用をご参照下さい。

参考:
※1:1995年 インド アマラがん研究センター「天然クルクミノイドの抗腫瘍および抗酸化活性」
※2:2012年 インド バーラト技術研究所「Madhucaのインディカ(ケーニッヒ)グメリンのメタノール樹皮抽出物の抗酸化力と総フェノール含量」
※3:1999年「H-原子移動は、クルクミンの好ましい抗酸化機構である」
※4:2008年 トルコ アタチュルク大学「クルクミンの抗酸化およびラジカル消去特性」
※5:2011年 タイ チュラロンコン大学「健康なヒト被験者の生体内抗酸化能力およびコレステロールレベルの合計に異なるクルクミノイドサプリメント投与量の影響」

脳(アルツハイマー、認知機能、うつなど)

脳(アルツハイマー、認知機能、うつなど)
クルクミンが、認知機能の改善、アルツハイマー予防、抗うつなどに効果があります。

これは、 クルクミンが脳のニューロンの維持・成長を促すBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やし、 その受容体(TrkB)を活性化させる(※1)ことや、 過剰になると細胞毒性を示すグルタミン酸興奮毒性から細胞を保護する効果(※1)、 脳内の酸化ストレスを低下させる効果(※2、※3、※4)などによるものです。

また、 うつ病に関しては、 うつ病に関わるモノアミン神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)の低下が、 クルクミンによって逆転するなどの現象が観察されています。(※5、※6)

その他、 クルクミンは、アルツハイマー病予防に効果がある(※7)だけでなく、 脳の損傷によってできるエネルギー恒常性に関わる認知力の低下に対して、 脳の機能回復にかかわる重要な因子を向上させる効果も確認されています。(※8)


参考:
※1:2008年中国 北京大学「クルクミンは脳由来神経栄養因子(BDNF)のレベルを増加させ、脳由来神経栄養因子受容体(TrkB)を活性化することにより、ラットの大脳皮質神経細胞において、グルタミン酸興奮毒性から保護します」
※2:2006年イタリア 国家研究評議会(CNR)「クルクミンは酸化ストレスに対して、守備遺伝子を活性化し、ニューロンを保護する」
※3:2005年アメリカ ミズーリ大学「脳虚血誘発性神経細胞アポトーシスと行動障害に対するクルクミンの神経保護効果」
※4:「アルツハイマー病のための含意:神経細胞培養と動物モデルにおける新規なポリマーナノ粒子製剤クルクミンの神経保護と神経救助の影響」
※5:2009年アメリカ「うつ病ラットの強制水泳試験、嗅球摘除モデルにおけるクルクミンの抗うつ効果」
※6:2008年インド「クルクミンの抗うつ活性:セロトニンおよびドーパミン系の関与」
※7:2005年 カリフォルニア大学「アルツハイマー病におけるカレースパイスクルクミンの潜在的な役割」
※8:2009年 アメリカ「食物クルクミン補充は脳外傷後のエネルギー恒常性に関与する分子のレベルの減少を中和する」

動脈硬化、コレステロール

動脈硬化、コレステロール
コレステロールの低下や動脈硬化にもクルクミンが効果があります。(※1~6)

このクルクミンによるコレステロールの低下は、 研究によって異なるものの、 高コレステロール食による血清コレステロールの影響を1/3~1/2(※3)に低下させたり、 総コレステロールが11.63%減少した(※4)などの効果が見られます。

このクルクミンによるコレステロールの低下作用は、 肝臓の遺伝子発現の変化(※2)や、 コレステロールと胆汁酸の排出量増加(※3)によるものと考えられています。

参考:
※1:1997年 インド「ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットにおけるウコンの有効成分クルクミンの脂質低下作用」
※2:2007年 ドイツ マルティン・ルター大学「ルクミンはコレステロール恒常性に関与する遺伝子の発現の変化を誘導する」
※3:1970年「ラットにおける血清および肝臓コレステロールレベルに対するクルクミンの効果」
※4:1992年 インド アマラがん研究センター「ヒトボランティアにおける血清過酸化物及びコレステロールレベルに対する経口クルクミン投与の効果」
※5:1992年 インド アマラがん研究センター「クルクミンによるマウスにおける脂質過酸化およびコレステロール濃度の阻害」
※6:1995年インド 中央食品技術研究所「実験的に誘導されたアルビノラットにおける糖尿病の進行に対する食事のクルクミンとコレステロールの影響」

血流促進

血流
クルクミンは加齢に伴う血管の機能低下を防止し、 血流を増加させます。(※1、※2)

これは、 一酸化窒素(NO)媒介血管内皮機能障害の改善、 酸化ストレス、AGEs(糖化最終生成物)の減少、コラーゲンの増加などによるものです。(※1)

筑波大学の研究(※2)によると、 ウコンの主成分であるクルクミンの摂取と有酸素運動トレーニングの両方が、 加齢に伴う(閉経後女性における)血管内皮機能の低下を改善することができることを示唆している、と発表しています。

ただし、高用量では、 クルクミンは鉄キレート剤として働くため、 鉄欠乏性貧血を誘導する可能性があるため、 血流が良くなっても酸素の供給が不足してしまいます。

詳しくは、クルクミンの副作用をご参照下さい。

参考:
※1:2012年 筑波大学「クルクミンの摂取と運動トレーニングは、閉経後の女性における血管内皮機能を改善する」
※2:2013年 コロラド大学「クルクミンは、老化による動脈不全や酸化ストレスを改善する」

心臓

心臓
またクルクミンは心不全(※1)、虚血性心疾患(※2、※3)、心筋梗塞(※4)など、 いくつかの心臓に関わる疾患に対する予防にも効果が期待されています。


参考:
※1:2008年 京都医療センター「食事性化合物のクルクミンはラットにおいて、P300ヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性を阻害し、心不全を防止する」
※2:1995年 インド「猫の心臓におけるクルクミン&キニジンによる虚血誘発性の生化学的変化の防止」
※3:2009年 アメリカ アーカンソー医科大学「currying the Heart:クルクミンと心臓保護」
※4:「ラットにおけるイソプロテレノール誘発性心筋梗塞における特定のリソソーム加水分解酵素に対するクルクミンの効果」

ガン予防

クルクミンがガン予防やガン細胞の抑制に効果があります。

クルクミンによるガン予防効果
  • 乳ガン(※1、4)
  • 子宮頸ガン(※2)
  • その他ホルモン関連ガン(※3)
  • 前立腺ガン(※5)
  • 大腸ガン(※6)
  • 膀胱ガン(※8)
  • 白血病(※11)

クルクミンがガン予防に効果があるのは、 抗酸化作用のほか、 ガン細胞の積極的細胞死(アポトーシス)または増殖の阻害(※9、10)、 ホルモンに関係するエストロゲンの代謝調整(※2、※3、※4)、 免疫回復機能(※7)、オートファジー(寿命の増加に関連のある細胞分解)(※11)などの効果によるものと考えられています。

また、 クルクミン(ウコン)をカレーのスパイスとして利用するインドにおいて、 消化器ガンの発生率が低く、 これは、クルクミンが豊富な食生活に起因している可能性が示唆されています。

ただし、高容量摂取において、甲状腺のガンの元となるにつながる甲状腺濾胞細胞過形成の発生率の増加が指摘されています。

詳しくは、クルクミンの副作用をご参照下さい。

参考:
※1:2010年 ドイツ ルートヴィヒ・マクシミリアン大学「基準プロファイルの相関は、クルクミンのエストロゲン様転写活性を明らかにする」
※2:2010年 インド AIIMS(全インド医科大学)「クルクミンは、エストラジオールの増殖効果を打ち消し、子宮頸部癌細胞においてアポトーシスを誘導する」
※3:1997年 アメリカ タフツ大学「植物天然物クルクミンおよびゲニステインはエストロゲン様農薬によって誘発されるヒト乳癌MCF-7細胞の増殖において、相乗的な阻害効果を示す」
※4:2002年 中国 復旦大学医療センター「クルクミンはヒト乳癌細胞に対して複数の抑制効果を発揮する」
※5:2011年 帝京大学「テストステロンは前立腺癌細胞株、LNCaP細胞においてポリフェノールによって誘発されるDNA損傷応答を増強する」
※6:2001年 イギリス レスター大学「ラットの肝臓と結腸粘膜におけるグルタチオンSトランスフェラーゼとマロンジアルデヒド-DNA付加体に対する食餌クルクミンの効果」
※7:2004年 アメリカ ヘンリー・フォード健康システム「クルクミンはIkappaBalphaリン酸化の抑制を介して核因子カッパBを阻害することにより腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド/のApo2Lに前立腺癌細胞を感作する」
※8:2008年 テキサスA&M大学「クルクミンは、膀胱癌細胞における特異性タンパク質の発現を減少させる」
※9:2007年 インド ボーズ研究所「腫瘍誘発性酸化ストレスは、核因子カッパBの活性増強腫瘍壊死因子 - アルファ媒介性T細胞の死を摂動する:クルクミンによる保護」
※10:2004年 アメリカ ヘンリー・フォード健康システム「クルクミンはIkappaBalphaリン酸化の抑制を介して核因子カッパBを阻害することにより腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド/のApo2Lに前立腺癌細胞を感作する」
※11:2011年 台湾 国立高雄海洋大学「クルクミンの主要な代謝物であるテトラヒドロクルクミンはヒト白血病HL-60細胞において、PI3K/Akt-mTORとMAPKシグナル伝達経路の協調調節を介して、オートファジー細胞死を誘導した」

脂肪と肥満

脂肪と肥満
ウコンの有効成分であるクルクミンは、 その抗酸化作用、AMPK活性化、脂肪酸シンターゼ(FAS)の阻害などの作用を通じて、 肥満の予防、脂肪細胞の増加の抑制に効果があると考えられています(※4、5、6、9)。

また、肥満性あるいは脂肪と関連がある糖尿病(※1)、インスリン抵抗性の改善(※2、※3)、 心臓自律神経失調を改善(※8)などへの効果も認められています。

しかし、クルクミンによって体重そのものが減少するとする研究は少なく、 まだ肥満の予防、脂肪増加の抑制、体重減少の可能性を示唆するにとどまっています。

また、 クルクミンは食欲を抑制するレプチンを抑える(※7)ことにより、 食欲が増加する可能性も指摘されています。

参考:
※1:2008年 コロンビア大学「食物クルクミンが糖尿肥満のマウスモデルにおいて、大幅に肥満関連炎症と糖尿病を改善する」
※2:2011年 オーストラリア クイーンズランド大学「炎症性樹状細胞にcurcusomesをターゲットにすることは肥満マウスにおいてNF-kBを阻害し、インスリン抵抗性を改善する」
※3:2012年 中国 同済大学「クルクミンは、3T3-L1脂肪細胞において、腫瘍壊死因子αまたはイソプロテレノールによって刺激される脂肪分解を減衰させます」
※4:2009年 韓国 ハンナム大学「クルクミンは、3T3-L1脂肪細胞においてAMPKアルファPPAR-γを通じて抗分化効果と 癌細胞において、AMPKα-COX-2を通じておよび抗増殖効果を発揮する」
※5:2011年 アメリカ GUCAS(中国科学院)「クルクミンによる脂肪細胞における脂肪酸合成酵素、分化、脂質蓄積の抑制」
※6:2010年 テキサス大学「クルクミンおよび他の栄養補助食品による炎症誘発性肥満と代謝性疾患のターゲット」
※7:2012年 オーストリア インスブルック医科大学「亜硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム及びクルクミンなどの食品添加物はin vitroでのリポ多糖で処理したマウスの脂肪細胞におけるレプチン放出を阻害する」
※8:2009年 タイ チェンマイ大学「高脂肪食誘発性肥満ラットにおける心臓自律神経の状態に対するクルクミノイド補充の効果」
※9:2009年 アメリカ タフツ大学「クルクミンは、 C57/BLマウスにおける3T3-L1脂肪細胞において、脂肪生成、血管新生、肥満を阻害する」

その他

その他、クルクミンは腎臓の保護、大腸保護、関節炎の炎症の軽減などの効果が認められています。





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