クルクミンとは

クルクミンとはウコンに含まれる成分
クルクミンとはウコンに含まれる黄色の結晶性粉末です。

ウコンは古くからアジアにおいて、 アーユルヴェーダと中医学を中心に、 様々な病気の治療に用いられていました。

クルクミンはこのウコンの主成分の1つで、 根茎におよそ2~5%程度含まれ、 特殊な製法により抽出されるほか、 化学的に合成することもできます。

現在では、 お菓子、カレー、マスタード、たくあんなどの食品添加物(正確には既存添加物)に利用されるほか、 化粧品の成分としてその利用が認められています。

ここでは、クルクミンとは、について紹介しています。


クルクミンとはウコンに含まれる成分

クルクミンはウコンに含まれる成分の1つです。

ウコンが育つ土壌条件による違いがあるものの、 ウコンの根茎におおよそ2~5%程度(2~9%とする文献もあり)含まれます。(※1~※4)

その他、しょうがにもごく少量含まれますが、 その含有量はウコンほど多くはありません。

参考:
※1:2014年 インド「クルクミンの化学:治療薬の抽出より」
※2:ブラジル デゴイアス連邦大学「クルクミンナノ懸濁液の生産、溶解、抗酸化活性」
※3:2007 テキサス大学「クルクミンのバイオアベイラビリティ:問題と約束」
※4:JECFA(食品添加物のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議)による安全性評価「クルクミン」

クルクミンとウコンの関係

ウコンは、南インド、インドネシア原産の植物で、 世界の熱帯・亜熱帯地域全体に分布しています。

その根茎は古くから様々な用途で用いられていたものの、 1815年、ウコンからクルクミンの成分のみを抽出できるようになり、 「クルクミン」として別途研究、利用されるようになりました。

クルクミンの別名

クルクミンは「天然物(抽出物)」と「化学的に合成されるもの」がありますが、 多くの場合、どちらもクルクミンと呼ばれます。

クルクミンの別名
  • ウコン抽出物(ウコンから抽出された物質であることを示すものの、必ずしもクルクミン単体を指すわけではない)
  • ジアリールヘプタノイド(1910年にクルクミンの化学名として命名。その化学構造が名称の由来となっている)
  • 天然ポリフェノール、天然フェノール化合物(ポリフェノールの効果を強調する場合や他のポリフェノールの仲間であることを強調する場合などに使われる)
  • ウコン色素、ターメリック色素(食品の着色料に利用する場合に使われる。クルクミンを主成分とするものの、食用油脂などを含むことがある)
  • ジフェルロイルメタン(化粧品に利用される場合に使われる、クルクミンとその誘導体を含む)
  • 黄色ウコン、ナチュラルイエロー
  • など

クルクミンの用途

ウコンは古くから料理(スパイス)や医療(漢方薬)に利用されてきました。

その後、ウコンから抽出が可能になったことにより、 それまでのスパイスや漢方としての利用のほか、 その色(黄色)の特色により、 日本でもお菓子、カレー、マスタード、たくあんなどの食品添加物(正確には既存添加物)のほか、 化粧品の成分としてその利用が認められています。

最近では、 欧州連合(EU)において、それまでの食品以外に、 魚卵類似物の添加物として、新たに使用が認められるようになりました。

また、海外では、 クルクミンのサプリメントも多数販売されています。

クルクミンが指定される既存添加物とは

クルクミンは「既存添加物」に指定されています。

この既存添加物は、 厚生労働大臣が「使用してよい」と定めた食品添加物(指定添加物という)とは異なり、 天然、化学的合成のいかんにかかわらず、 日本において広く使用されている、長い食経験がある添加物を指します。(※1)

クルクミンはこの既存添加物の番号35に「ウコン色素」、別名/品名「クルクミン、ターメリック色素」、 用途「着色料」として登録されています。

ただし、 化学合成されるクルクミンは食品添加物として使用されていません。(※2)


参考:
※1:厚生労働省「食品添加物リスト」
※2:JECFA(食品添加物のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議)による安全性評価「クルクミン」

クルクミンの抗酸化作用

クルクミンは脂溶性で水に溶けにくく、 抗酸化特性を有しています。
そのため、用途は「着色料」であるものの、 食品の酸化防止剤としても機能しています(※1)。

特に、 脂質の過酸化を阻止する能力が非常に高く、 脂の酸化による臭いや毒の発生を防止します。

カレーが長期にわたって腐敗せず食べられるのは、 このクルクミンによる酸敗(サンパイ)防止効果が一つの要因と考えらえれています。

参考:
※1:JECFA(食品添加物のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議)による安全性評価「クルクミン」

クルクミンを多く含む食品

  • ウコン
  • 一部のショウガ(マンゴージンジャーなど)
ウコン含有料理として
  • 南・東南アジア料理
  • カレー
  • イエローライス
食品添加物・着色料として
  • カレー粉
  • マスタード
  • たくわん(黄色)
  • お菓子
  • パン
  • など





トップへ
関連記事
メニュー 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加